電力の最終保障供給とは 企業向けに2022年9月から市場価格を反映
電力の最終保障供給とは、これまで高圧・特別高圧で契約していたが、どの小売電気事業者とも契約の交渉が成立しなくなった会社に対して、電力会社が約款にもとづき電気を供給することをいいます。大手電力は2022年9月1日からこの最終保障供給料金に市場価格を参照した補正項を適用すると発表しました。電気料金が高騰しているなか、最終保障供給を受けていた企業には実質電気料金の値上げとなります。
電力の最終保障供給とは、これまで高圧・特別高圧で契約していたが、どの小売電気事業者とも契約の交渉が成立しなくなった会社に対して、電力会社が約款にもとづき電気を供給することをいいます。大手電力は2022年9月1日からこの最終保障供給料金に市場価格を参照した補正項を適用すると発表しました。電気料金が高騰しているなか、最終保障供給を受けていた企業には実質電気料金の値上げとなります。
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経済産業省の専門家会合の資料などによると、最終保障供給は、ラストリゾート(LR)供給とも言われます。
法人向け標準的な料金メニューの約2割増しの料金となっており、小売電気事業者の事業撤退・倒産により契約の切り替えを余儀なくされた企業や、料金不払いにより小売電気事業者との契約を解約された企業の利用が想定されていました。
平常時は、最終保障供給料金は割高のため、長期間契約する企業がいるとは想定されていませんでした。しかし、燃料価格の高騰にあわせて電気料金の市場価格も大幅に上昇し、電源調達コストを料金に反映しようとしたところ、最終保障供給料金よりも割高になる逆転現象が起きていました。
経済産業省の専門家会合の資料などによると、卸電力市場価格が高騰する冬場に増加傾向にありました。しかし、2022年3月以降は、大口顧客のいた新電力の撤退により、約4000件(約92万kW相当)まで著しく増加しました。
全国の託送契約電力(高圧以上)の約0.5%を占めるといいます。
このままでは、企業が最終保障供給料金を積極的に選択するという逆転事象が起きかねません。そこで、沖縄電力をのぞく大手電力9社は、電気事業法にもとづいて電気最終保障供給約款の変更届出を経済産業大臣に提出し、最終保障供給料金に卸電力市場価格を反映した「補正項」を新たに加えることにしました。
基本料金+電力量料金(燃料費調整額を含む)
基本料金+電力量料金(燃料費調整額を含む)±補正項
補正項=卸電力取引市場価格+託送電力量料金単価-最終保障供給料金(燃料費調整単価含む)
2022年9月1日以降に使用された電力量について、見直し後の最終保障供給料金が適用されます。具体的な単価は、各電力会社のサイトで公表される予定です。
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