18年前の2004年7月10日、NTTドコモが電子マネーサービスの「おサイフケータイ」に対応した携帯電話を発売しました。

携帯電話を端末にかざして支払いができるようになった=2006年、朝日新聞社

ガラケー(ガラパゴスケータイ)と呼ばれる携帯電話で、電子マネーの決済に使うICチップ「フェリカ」を搭載した機種です。

携帯電話をお店のレジの端末にかざして、支払いや電子チケットの発券、会員認証などができるサービスは斬新でした。

「おサイフケータイ」の発売を報じる2004年6月17日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)

サービス開始から約1年で、「おサイフケータイ」に対応した携帯電話端末の契約数は全国で500万件を突破して急拡大。

その後、他社も追随して利用の場が広がっていきました。

定期券や乗車券として電車に乗ることができる「モバイルSuica」がお目見えしたのは2006年でした。

携帯電話をかざすと自動改札を通れる「モバイルSuica」=2006年、朝日新聞社

一方、アメリカ・アップル社の「iPhone」が日本で売り出されたのは2008年のこと。

スマートフォン時代が到来し、スマホ決済サービスも続々と登場しました。

iPhoneの日本発売を報じる2008年7月11日付の朝日新聞夕刊(東京本社版)

iPhoneが日本で販売されたころ、朝日新聞の記事にこんな記述がありました。

《デジタル放送を視聴できる「ワンセグ」が受信できなかったり、「おサイフケータイ」機能がなかったりと、国内の高性能機種より見劣りする面もある》

「ワンセグ」や「おサイフケータイ」に慣れた利用者は、iPhoneには流れない――。

記事では、電機メーカートップのそんな言葉も紹介されていました。

結果は……。

 

記事中の予想とはまるで異なる時代が訪れました。

iPhoneの登場を機に急速にスマートフォンが普及し、携帯電話端末メーカーの勢力図は大きく変わりました。

これから先の未来では、どんな技術が世界を席巻するのでしょうか。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年7月10日に公開した記事を転載しました)