43年前の1978年6月25日、サザンオールスターズがメジャーデビューしました。

不動の人気を誇るサザンの歩みを振り返ります。 

サザンオールスターズの桑田佳祐さん。青山学院大在学中にサザンオールスターズを結成しました=1990年、朝日新聞社

サザンの母体は、1974年に結成された青山学院大の学生バンドです。

1978年、「勝手にシンドバッド」でのデビューは鮮烈でした。

翌1979年6月15日付朝日新聞の記事で、作・編曲家の宮川泰さんは「意味不明、不良性、えげつない表現」「何を歌っているのか、よく聞き取れない」と書きつつ、「まことに緻密な作り方」「天才的皮膚感覚」と作詞作曲した桑田佳祐さんを称賛しています。 

 

デビューから4年後の記事で、桑田さんは「歌詞はもっと深いところで、勇気をもって言いたいことを言おうという気持ちが強くなった」と述べています。

サザンの曲は恋愛やセックスから反戦、社会風刺と幅広いテーマを扱いますが、このインタビューではその一端が垣間見えます。 

1982年11月10日付朝日新聞夕刊(東京本社版)に掲載された桑田さんのインタビュー記事

休止期間を挟み、1988年に約3年ぶりに活動再開した際は、コンサートの電話予約が殺到。

都内の一部で電話がつながりにくくなりました。

当時の朝日新聞の記事には「ファンが予約センターに近い公衆電話から繰り返し電話をかけた、とNTTはみている」とあります。 

 

第一線に立ち続ける桑田さんの気概がのぞくのが、デビューから20年の1998年10月22日付朝日新聞夕刊に載ったインタビューです。

桑田さんは「チャートにこだわらなきゃ」「ヒットを飛ばすしか、現役でいられない」と述べています。 

 

2003年には再発売された「勝手にシンドバッド」がオリコンチャートで初登場1位を取ります。

デビュー時は3位が最高で、25年越しの首位獲得となりました。 

2013年8月に行われたサザンオールスターズの復活コンサート会場。日産スタジアムの場外には開演20分前になっても人があふれ、開演時間を遅らせました=横浜市、朝日新聞社

その後、再度の活動休止を挟み、2013年に再始動。

2020年のデビュー42周年記念日には、コロナ禍を受け有料配信の無観客ライブを開き、推定視聴者数は約50万人に達しました。

桑田さんは最後「観客の皆がいないのは寂しい」と言ったそうです。

かつてのように、規制なしでコンサートに集まれる日が待ち望まれます。

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年6月25日に公開した記事を転載しました)