25年前の1997年5月11日、チェスの6番勝負でコンピューターが史上初めて、チェスの世界チャンピオンに勝利しました。

 

1997年5月、IBM社製のコンピューター「ディープブルー」が、ロシア人のチェス世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフさん(当時34)にチェスの6番勝負を挑みました。  

勝負は一進一退。

1勝1敗3引き分けで迎えた5月11日、最終戦が開かれました。 

 

結果は、コンピューター「ディープブルー」の勝利。 

史上初めて、コンピューターが公式ルールでチェスの世界チャンピオンに勝った日として、報道されました。 

1997年5月12日付の朝日新聞東京本社発行の夕刊

当時の朝日新聞の夕刊では、「人は重圧に負けた」という見出しで、コンピューター「ディープブルー」の勝利を報じました。 

また、朝日新聞のコラム「天声人語」でも、世界チャンピオンだったカスパロフさんの敗北に触れていました。 

「彼はどうも自分を見失ってしまったようだ。あるベテラン選手は最終戦を評し『自分の可能性と天分を、とことん信じるべきだった』といった。その通りだと思う。とともに、自分を見失ってしまうのも、人間らしくて、とてもいい。」 

1997年5月13日付の朝日新聞朝刊のコラム「天声人語」

コンピューター「ディープブルー」の衝撃的な勝利から24年。 

チェスに続き、将棋や囲碁でも、人工知能がプロを破ることは珍しくなくなりました。 

チェスで対戦する羽生善治名人(右)とカスパロフさん=2014年11月28日、東京・六本木、朝日新聞社

人工知能と人間の戦いはこれからも続きそうです。 

 

(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年5月11日に公開した記事を転載しました)