【1月31日は何の日】1997年、「ファイナルファンタジーⅦ」発売
「10年前にこんなことが…」「あのサービスは20年前から?」。ビジネスシーンの会話の“タネ”になるような、過去に社会を賑わせた話題を不定期で紹介します。
「10年前にこんなことが…」「あのサービスは20年前から?」。ビジネスシーンの会話の“タネ”になるような、過去に社会を賑わせた話題を不定期で紹介します。
26年前の1997年1月31日、ゲームソフト「ファイナルファンタジーⅦ」(FF7)が全国で発売されました。
FF7は、「魔晄エネルギー」と呼ばれる新時代の資源を管理する「神羅カンパニー」が世界の覇権を握っている、という舞台でストーリーが進みます。
物語の主人公は、神羅カンパニーに対抗する「反神羅」組織に雇われた傭兵・クラウド。プレーヤーはクラウドを操作して物語を進めます。
発売日当日の朝日新聞では、「人気ソフト、静かな発売」の見出しでこう報じています。
前作の「Ⅵ」の時は発売当日に大行列ができたが、今回は混乱を避けようとコンビニエンスストアを中心に予約制を導入したため、静かな立ち上がりとなった。製造元のスクウェアでは、前作の255万本を上回る300万本の販売を見込んでいる。
1997年1月31日付朝日新聞夕刊(東京本社発行)
FFシリーズはこれまで任天堂の「スーパーファミコン」向けにつくられていましたが、FF7からソニー・コンピュータエンタテイメントの「プレイステーション」向けに作られるようになりました。
発売から1週間後の朝日新聞では、発売当日にFF7を購入した人の声を紹介しています。
フリーターの男性(21)は、受け付け開始の12月1日予約したという。「ストーリーがおもしろい。しばらく眠れない日が続くかも」。6時半ごろから店内で待ち、テレビゲームの情報誌も買っていた。ある高校生は「コンビニで買えるなんて便利」とそのまま学校へ。かつての「ドラクエ」騒動のおもかげはどこにもなかった。
1997年2月7日付朝日新聞夕刊(大阪本社発行)
人気シリーズの新たな展開、ということで発売前から注目を集めていたFF7。
1997年3月8日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)は、「大河ゲームは映画を超えるか」の見出しで、CMプランナーや「ゲーム批評」編集長、脚本家、ゲームデザイナーのFF7に対するコメントを紹介しています。
多くのゲームファンを魅了したFF7のシナリオですが、当時の評価としては厳しい意見が並んでいます。
とにかく、シナリオがひどい。クールな主人公が突然明るくなったり、近寄りがたい雰囲気の仲間の一人が途中で幼稚になったり、登場人物の性格づけが一貫していない。人物が一貫していないから、描かれる事件が場当たり的で、「なんでこうなるの」と思わされてしまう。
今のゲーム制作者たちは小さい時から、漫画やゲームで育った世代。盛り上がる場面をつないでいけば、それが物語だと思っているんじゃないでしょうか。
画面の世界がどう変わるんだろうってドキドキしないから、続ける気にならない。
いずれも1997年3月8日付の朝日新聞朝刊(東京本社版)
一方、グラフィックに対しては、「絵はきれいだし、きっとRPGとしての頂点でしょう」「美しい映像など、現時点でのコンピューター能力を最大限に生かしたつくり」といった高評価が並びました。
それから4年後、FFはシリーズ初の映画化を果たします。
すべてCGで作られた映画「ファイナルファンタジー」では、登場人物の目や肌など、細かな表現が忠実に再現されました。
また、2001年7月31日付の朝日新聞では、
登場人物に、昔の2頭身のようなデフォルメはない。おまけに登場人物はすべてしゃべり出し、せりふにより、表情が変わる。新しい戦闘システムもあるが、むしろ添え物。だれが遊んでも物語が同じ様に進む映画の要素が増している。
2001年7月31日付朝日新聞朝刊(東京本社発行)
と同年7月19日に発売された「FF X」についても触れています。
そして、2002年11月26日、FFシリーズの販売元である「スクウェア」と「ドラゴンクエスト」シリーズで有名な「エニックス」の合併が発表されます。
翌日発行された朝日新聞朝刊では、2社の合併について
ゲーム業界の置かれる厳しい環境を反映したものだ。少子化で利用者の減少が懸念される上に、高速通信を利用したネットゲームの登場や携帯電話の普及。ゲーム機の性能向上でいいゲームをつくるためにはますますコストがかさむ。ソフト会社は財務を含めた体力強化が必要になってきている。
2002年11月27日付朝日新聞朝刊(東京本社発行)
と背景を分析しています。
FF7以降、続々と新作を発売してきたFFシリーズ。
現在、スクウェア・エニックスは最新作として「FF16」を制作中です(2023年夏、発売予定)。
一方のFF7は、2020年4月に「ファイナルファンタジーⅦ リメイク」をPlayStation4で発売。
さらに昨年2021年6月には、PlayStation5向けに「ファイナルファンタジーⅦ リメイク インターグレード」が発売されました。
発売開始から25年が経ちながら、進化を続けるFF7。
今後どのような展開を見せてくれるのでしょうか。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2022年1月31日に公開した記事を転載しました)
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。