目次

  1. 顧客獲得単価(CPA)とは
    1. CPAとCACの違い
  2. 目標顧客獲得単価(目標CPA)を設定するには?
    1. 限界CPAを算出する
    2. 限界CPAから目標CPAを決める
    3. 顧客獲得単価の業界別相場
  3. 顧客獲得単価(CPA)を改善する方法
    1. 広告宣伝費を下げる
    2. クリック数を増やす
    3. コンバージョン率(CVR)を上げる
  4. 顧客獲得単価(CPA)をコントロールして事業を成長させよう

 CPAとは、Cost per actionまたはCost per Acquisitionの頭文字をとった言葉で、日本語で「顧客獲得単価」と訳されます。Costは費用、perは何々ごとの、Action/Acquisitionは行動/取得を意味します。英語の通り、利用した費用を獲得した件数で割ることで求められます。

 顧客獲得単価(CPA)を知ることで、どの程度の効率で顧客を獲得できているかがわかり、安ければ安いほど効率的に獲得できていることを示します。

 なお、WEB広告においては、顧客獲得のことをコンバージョンと呼ぶことが多いです。

 CPAには「目標CPA」や「限界CPA」といった考え方もあり、後述するようにサービス運営をするにあたって非常に重要な指標です。

 日本語で顧客獲得単価と訳される言葉には、CPAとは別にCACがあります。CACとはCustomer Acquisition Costの頭文字をとった言葉で、Customerは顧客、Acqusitionは獲得、Costは費用を意味します。

 両者はCostの範囲が異なり、CPAのCostは広告宣伝費のみですが、CACのCostは事業にかかったすべての費用(広告宣伝費のみではなく、営業人件費やシステム費など)を示します。

 CPAは主にWEB広告の成果を測る際に用いられ、CACはサービス全体の成果を測る際に用いられます。

 事業をするにあたっては、目標CPAをどの程度にするべきかが重要になります。

 目標CPAとは、サービス運営にあたって、一人の顧客をどのくらいの広告宣伝費で獲得するのかを定めた目標です。これを設定することで、「運営しても儲からない」「運営するほどに赤字」という事態を避けられます。

 目標CPAを決めるには、まず限界CPAを算出する必要があります。限界CPAとは「赤字にならないぎりぎりのCPA」のことです。

 例えば、ECサイトを運営していて、1つ10,000円の商品があるとしましょう。その商品の原価が3,000円、販売するためにかかる人件費が4,000円だったとします。

 この場合の限界CPAは、売上10,000円-原価3,000円-人件費4,000円=3,000円です(他にも費用がある場合はそれも考慮しなければいけません)。CPAが3,000円を超えてしまうと赤字になるということです。

 限界CPAが把握できたら、それよりも低い金額で目標CPAを定めましょう。1つあたりいくらの利益を出したいかを考え、逆算して計算します。

 先ほどのECサイトの場合、1つあたり1,000円の利益を出したいのであれば、限界CPA3,000円-利益1,000円=2,000円が目標CPAです。1つあたり2,000円の広告宣伝費で商品を販売できれば、1,000円✕販売個数の利益が得られるということです。

 とは言ってもCPAをいくらで獲得できるか分からない、競合他社はいくらで獲得しているのか知りたい、といったこともあるでしょう。その場合、Googleが2022年2月に発表したレポート「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]」が参考になります。

 このレポートによると、業界ごとの平均CPAは以下の通りです。

全業界平均 7,593円 金融と保険 8,460円
自動車 3,489円 健康と医療 9,191円
BtoB 15,036円 家庭用品 12,401円
消費者サービス 9,222円 産業サービス 7,982円
出会い 8,356円 法律 7,658円
Eコマース 6,775円 不動産 11,675円
教育 13,180円 テクノロジー 14,464円
転職 6,558円 旅行関係 8,775円

 ※Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]│WordStreamをもとに、1ドル122円で計算(2022/4/3現在)。Search、GDNの単純平均

 全業界平均は7,593円で、最も高い業界でテクノロジーで14,464円、安い業界だと自動車で3,489円という調査結果が出ています。

 ただし、この調査データは全世界での調査かつ、業界の広いくくりですので、自社のサービスのCPAとは大きくずれることもあります。例えば同じEコマースであっても、衣服なのか宝飾品なのかでCPAは大きく異なります。

 あくまで業界平均のCPAは参考程度に、自身の事業にあった目標CPAを定めることが重要です。

 適切な目標CPAを決めることが大切ですが、いざ運用を始めてみると目標CPAを達成できていない状況が続いてしまう……というケースも考えられます。そのような場合はどうしたらよいのでしょうか。

 CPA=広告宣伝費/コンバージョン数で決定しますので、広告宣伝費を下げるか、コンバージョン数を上げるかの2つの方法があります。

 また、コンバージョン数=クリック数✕コンバージョン率(CVR)で決まるので、コンバージョン数を上げるには、クリック数を上げるか、コンバージョン率を上げるかの方法があります。

 非効率な部分を改善することで、コンバージョン数を減らすことなく、広告宣伝費を下げることができます。主な方法は、「キーワードを停止する・入札を下げる」「広告を停止する」「入札単価調整をする」の3つです。

方法①キーワードを停止する・入札を下げる

 非効率なキーワードがあれば停止や入札を下げましょう。目安としては目標CPAの2倍ほどの広告宣伝費を使っているにもかかわらず、コンバージョンが発生していないかどうかです。こうしたキーワードは停止・入札を下げる検討をする対象になります。

方法②広告を停止する

 キーワードと同様に、非効率な広告があれば停止しましょう。目安はキーワードと同じですが、広告はキーワードと異なり、入札を下げることはできないので注意が必要です。

方法③入札単価調整をする

 ほとんどの媒体でデバイス(PC/モバイル/タブレット)や地域に応じて入札単価を調整することが可能です。キーワードや広告と同じ基準でチェックし、非効率なデバイスや地域があれば、停止や入札を下げるなどを検討しましょう。特にPCとモバイルでは差が大きくなる傾向があります。

 ユーザーにクリックされやすいように設計することで、クリック数を増やすことができます。「広告を改善する」「キーワードを増やす」といった方法があります。

方法①広告を改善する

 クリック数を増やすには、サービスの魅力を洗い出し、ユーザーに「そのサービスを利用することで、どんなよいことがあるのか」が明確に伝わる広告を作るのが有効です。

 ただし、広告内に盛り込める量には制限があります。その場合は、異なる訴求の広告を作成し、両方入稿し様子を見ましょう(いわゆるABテストと呼ばれるものです)。しばらく運用してみて、成果の高い方がユーザーに魅力的に映っている広告です。

方法②キーワードを増やす

 よりクリックされやすいキーワードを追加で入稿しましょう。

 例えば、ECサイトでお花を販売している場合、「お花 販売」よりも、「お花 通販」「お花 ネット」などの方がクリックされやすいでしょう。これらのキーワードを入稿していなければ、入稿することで多くのクリックを獲得できます。

 贈答用のお花を取り扱っている場合は、「プレゼント 通販」といった「お花」を入れないキーワードの入稿も効果的でしょう。お花屋だからということで「お花」以外のキーワードを入稿していないショップは珍しくなく、競合が少ないことがあるからです。

 また、キーワードはトレンドもあるため、定期的に入れ替えることも大切です。適宜、効率を確かめながら、より効果的なキーワードを選定していくことでクリック数を増やすことができます。

 コンバージョン率(CVR)とは、広告のクリック数とコンバージョン数の比率を表した数値です。広告から入ってきたユーザーが、どのくらいの割合でコンバージョンしているのかがわかります。

 CVRを上げる方法には、「ランディングページ(LP)を改善する」「コンバージョンポイントを増やす」の2つがあります。

方法①ランディングページ(LP)を改善する

 ランディングページ(LP)とは、ユーザーが広告をクリックして初めて見るページのことです。クリック後にコンバージョンしてもらえるように、LPでは魅力やサービス・会社の説明をしっかりとする必要があります。

 自身で「このページを見て購入するかな?」と考え、改善できるポイントがないか検討しましょう。

方法②コンバージョンポイントを増やす

 例えばECサイトにてお花を販売している場合、ネット購入だけでなく電話購入の受付ができないか検討してみましょう。ユーザーは本当に購入しているか悩んでいることも多く、その場合電話での問い合わせをした上で購入したいニーズもあります。

 2種類の導線を用意することで、ネットで買いたい人にも電話で相談して決めたい人にも対応できます。

 顧客獲得単価(CPA)を適切にコントロールすれば、事業に投じていたコストを改善することが可能です。

 一方で、限界CPAを超えてしまうと、事業は赤字になり、最悪事業を終了しなければならなくなります。CPAが目標CPAを超えている場合は、改善できるポイントがどこにあるか考え、速やかに対策を講じることが重要です。