目次

  1. 10万人に1人の難病。就職先、なかなか見つからず
  2. 「リモートワークの時代は来ない」 考え方に違いを感じ、就職先を辞退
  3. 「働く場所がないなら作るしか」。妥協せず、顧客に向き合った
  4. 特待生で大学院へ。「寝てはいるけど寝る時間がなかった」
  5. 「大げさではなく、人生が逆転した」

ホームページや名刺の作成を請け負う株式会社仙拓を19歳のときに立ち上げた佐藤仙務(ひさむ)さん(30)。起業に至った経緯や思い、起業を考えている方に伝えたいことは。お話をうかがいました。

――佐藤さんが抱えているご病気「脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)」や生い立ちについてお聞かせください

SMAというのは、運動神経細胞が変性して、筋肉が萎縮していく先天性の難病です。10万人に1~2人が発症すると言われています。私は3人兄弟の3番目ということもあって、うちの両親は早い段階から兄たちと比べて、私の成長のスピードに違和感を感じたそうです。

寝返りをしなかったので、最初は保健師さんなどに相談をしていたそうなんですが、名古屋の大学病院を紹介されて、診てもらったところ、生後10カ月でSMAという難病がわかりました。

小学生から高校生までは、身体に障害をもった子が通う特別支援学校に通いまして、いよいよ高校3年生になって社会に出るとなったときに、どうするかという話になりました。私は働いて自分で稼いで、収入を得る手立てを得たいと考えていました。

成人式に出席した当時の佐藤仙務さん=以下、いずれも佐藤さん提供

まだその頃は会社を立ち上げるとか、自分でこういうビジネスがしたいとか、そういうことは考えていませんでした。ただどこかに就職をしよう、という風に考えていましたが、私はほとんど身体を動かすことができなくて、寝たきりの状態。今から10年前くらいで、なかなか当時は私が働ける場所、就職できる場所というのがありませんでした。

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