目次

  1. 砂地で作られた高品質ワイン
  2. 兄からの誘いが入社の決め手
  3. 他県で切り開いた販路
  4. 兄の逝去と地震に見舞われて
  5. 廃業を踏みとどめた応援の手紙
  6. 「割れない」ワインを縁起物に
  7. 機械化とデジタル化を推進
  8. ウクライナ支援ワインを発売
  9. 「立て直しが私のミッション」

 ワインの国内生産は山梨県、長野県、北海道、山形県の四大産地が有名ですが、小規模生産地も点在しています。

 その一つが鳥取県北栄町で、海沿いの砂丘地帯にブドウ畑が作られています。水はけが優れた土壌で高品質のブドウが生育します。

 北条ワイン醸造所は同町で唯一のワイナリーです。従業員18人を抱え、年間8万〜9万本(720ミリリットル換算)のワインを生産。年間の売上高は約1億円になります。

 売れ筋は最上位ブランドの「砂丘」です。良いブドウが収穫された年にだけ製造されている特別なワインで、赤にはカベルネ・ソーヴィニヨン、白にはシャルドネといった品種がそれぞれ用いられており、最低でも3年は熟成させてから出荷しています。

 「柔らかく繊細で、果実味と酸味のバランスがとれた味わいを目指して仕上げています」と醸造責任者でもある3代目の山田さんは説明します。

看板商品の「砂丘」

 山田さんによると、砂地に作られたブドウ畑は世界的にも珍しいといいます。「夏になると太陽光の照り返しで靴底のゴムが溶けるほどの暑さになり、ブドウの実の凝縮が一気に進みます。このブドウでワインを作るとしっかりした味わいに仕上がります」

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