目次

  1. 国内で希少な本革ベルト専門工場
  2. 父の一言をきっかけに家業へ
  3. デニムブームの波に乗る
  4. ベルト業界が苦しんだ理由
  5. 自社製品の開発に踏み切る
  6. 新商品が「葛飾ブランド」に
  7. 地元との結びつきが強固に
  8. 新成人全員にベルトを寄贈
  9. 手が届く範囲のものづくりを

 長沢ベルト工業は1967年、長澤さんの父・潤治さん(現会長)が創業し、国内では数少ない本革ベルト専門の町工場です。従業員8人を抱え、月に約2千本のベルトを製造しています。

 長澤さんは「紳士物の服飾ベルトを中心に扱ってきました。ベルトのデザイン提案から素材選び、製造まで一貫して手がけるOEMが事業の主軸です」と話します。

 本革製の高品質なベルトを製造できるのが強みです。OEMの実績はポール・スミス、ランバンなどのハイブランドから、ユナイテッドアローズなどのリアル・クローズブランドまで多岐にわたります。

長沢ベルト工業は高品質のベルトを製造しています(同社提供)

 長澤さんは専門学校卒業後、アパレル企業に入社。その後、世界三大レザーの産地・イタリアで女性用の本革バッグを扱う工房にインターンとして入り、バッグ作りを学びました。

 約1年間の修業を経て、帰国後は衣料生産商社で営業と生産管理を手がけました。

 長澤さんは33歳を過ぎた約15年前、家業に入りました。父から「お前、今後どうするんだ?」と言われたのがきっかけでした。

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