目次

  1. 下請けに依存しないフラッグシップ
    1. 埋もれてしまう
    2. 模倣されてしまう
    3. 伝わらない
  2. フラッグシップが解決できること
    1. 外部起因=競争の激化
    2. 内部起因=雇用の難化
  3. 「身につけるメモ」が与えた効果
    1. フラッグシップを開発する前
    2. フラッグシップの発案
    3. 下請け感覚からの脱却
    4. 仕事へのやりがい

 本連載では、デザイン経営を「デザインに投資をしてリターンを得ること」と定義しています。下請け仕事だけに依存せず、自社の強みを生かした新規事業を立ち上げる。そのために筆者はデザイン経営に取り組み、看板商品となるフラッグシップの開発が必要であると考えています。

 そもそも、なぜフラッグシップが必要なのでしょうか。その理由は三つあります。

 看板となる突出した何かがなければ、誰にも気付かれず埋もれてしまいます。手っ取り早いのは、ナンバーワンかオンリーワン、どちらかを目指すことです。

 ナンバーワンは一朝一夕では到達できないため、まずはオンリーワンを狙うべきです。フラッグシップを追求した結果、おのずとオンリーワンに行き着くことも少なくありません。

 フラッグシップとは、企業の技術やイメージ、価値といった企業の強み(=シンボル)を具体的な商品やサービスに仕立てたものです。自分たちの強みを起点にしなければ、商品は簡単に模倣されてしまいます。

 今の時代、商品やサービスのコストパフォーマンスだけでなく、どんな企業が運営したり販売したりしているのかも消費者が選ぶ基準になっています。企業の歴史や文化はコピーすることが難しい資産ですので、フラッグシップに反映することで強力なアドバンテージとなります。

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