目次

  1. 売り上げに結びつく新事業に挑む
  2. フラッグシップとは
    1. 有名企業のフラッグシップ
    2. シンボルを「具体」で示す
    3. 経営者が知るべきポイント
    4. デザインが生む定量的価値
  3. フラッグシップの条件
    1. 独自性
    2. 代名詞
    3. 事業インパクト
  4. 茶房がフラッグシップを立てるまで
    1. コロナ禍で売り上げが激減
    2. 依頼内容と課題のミスマッチ
    3. テイクアウト需要に応える「朝ボトル」
    4. 「朝ボトル」の地道なPR
    5. 売り上げがコロナ前の1.8倍に
    6. 「朝ボトル」から生まれた広がり

 前回までは、この連載における「デザイン経営」と「脱下請け」の定義、下請け仕事に依存することの問題点と、その解消には売り上げに結びつく新事業に挑戦するためのフラッグシップが必要であることについてお話ししました。今回は、自社の強みとなるフラッグシップについて、以下の順に解説します。

  • フラッグシップとは
  • フラッグシップの条件
  • フラッグシップの開発事例

 本連載では、デザイン経営を「デザインに投資をしてリターンを得ること」と定義しています。そして、デザイン経営に取り組む中小企業や後継ぎ経営者が優先すべきは「新たな事業に挑戦する」の一択だと考えます(1回目参照)。筆者はその実現のため、各社独自の強みを起点に、新たなシンボルとなるフラッグシップの開発に取り組んでいます。

 フラッグシップとは、ざっくり言うと「看板製品・サービス」のことです。例えば、有名企業では以下の事例が挙げられます。

    • とらやの羊羹
       「とらや」といえば「羊羹」というのは、最も分かりやすいフラッグシップ事例です。このレベルになると、「羊羹」といえば「とらや」となるように、商品カテゴリーのフラッグシップとも言えます。
    • マイクロソフトのパソコン「Surface」
       iPhoneの人気がうなぎのぼりで、マイクロソフトが劣勢だった時のことを覚えているでしょうか。Windowsのシェアは高いものの、お世辞にもかっこよくはなく、使いにくい印象でした。そのネガティブなイメージに一石を投じたのが「Surface」です。タブレットPCという新カテゴリーを生み、マイクロソフトの新たなフラッグシップにふさわしい商品を展開しました。
    • カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する代官山TーSITE(蔦屋書店)
       TSUTAYAといえば青と黄色をブランドカラーとしたレンタルショップでしたが、いつの間にか「蔦屋書店」にイメージが変わりました。その始まりは、代官山のT-SITEであり、CCCの新たなフラッグシップストアと言えるでしょう。
  • カモ井加工紙のマスキングテープ「mt」
     本来マスキングテープは「マスク」するためのテープです。そのイメージをおしゃれなものに変えたのは、カモ井加工紙であり、ものづくり企業を代表するフラッグシップ商品の事例です。
マイクロソフトのSurface(日本マイクロソフト提供)
代官山蔦屋書店(2018年5月、朝日新聞社撮影)

 もう少し掘り下げると、筆者はクライアントに企業の「シンボル(象徴)」を「具体」で示したものとお伝えしています。

 象徴は「企業の強み」とも言い換えられ、各企業特有の技術やイメージ、価値などを指します。それらを生かし、具体的な商品やサービスに仕立てたものが「フラッグシップ」なのです。

 では、それを生み出すために、経営者や後継ぎの皆さんが知っておくべき重要なポイントは何でしょうか。

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