石綿(アスベスト)の事前調査結果の報告制度、2022年4月開始
石綿(アスベスト)の事前調査結果の報告制度が2022年4月1日から始まりました。建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、大気汚染防止法にもとづいて工事で石綿含有建材の有無の事前調査結果を都道府県などに報告することが義務化されます。対象となる工事、電子申請の方法などについて整理しました。
石綿(アスベスト)の事前調査結果の報告制度が2022年4月1日から始まりました。建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、大気汚染防止法にもとづいて工事で石綿含有建材の有無の事前調査結果を都道府県などに報告することが義務化されます。対象となる工事、電子申請の方法などについて整理しました。
石綿(アスベスト)は、天然にできた鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」と読みます。
熱に強く、摩擦に強く切れにくい、酸やアルカリにも強いなど、丈夫という特性があるため、ビルなどを建築するときに保温断熱の目的で吹き付けていました。そのほか、ブレーキパッド、防音材にも使われていました。
しかし、吸い込んでしまうと肺の中に入ると組織に刺さり、15~40年後に肺がんなどの病気を引き起こすため、現在は原則禁止されています。
厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトによると、建築物・工作物等の解体・改修工事の際には、工事の規模、請負金額にかかわらず、事前に法令に基づく石綿(アスベスト)の使用の有無の調査(事前調査)を行う義務があります。事前調査は原則すべての工事が対象です。
2023年10月から着工する工事の場合、建築物の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者または日本アスベスト調査診断協会の登録者が行う必要があります。
この石綿の事前調査について、2022年4月1日以降に着工する、解体・改修工事を対象に労働基準監督署・自治体に報告する制度がはじまりました。
一定規模以上の工事をする場合、施工業者(元請事業者)が労働基準監督署と自治体に対して、事前調査結果の報告をする必要があります。報告対象となる工事は次の通りです。
事前調査で石綿がある、またはあるとみなす必要が出た場合は、飛散防止や暴露防止の対策が必要になります。具体的には、作業計画や労働基準監督署への事前届け出をしたうえで、作業時には次のような措置が求められます。
解体等工事における石綿飛散防止に関する全国各地の報告・届出・問い合わせ先の一覧は環境省の公式サイトで公開されています。
石綿事前調査結果の電子申請は、石綿事前調査結果報告システムからできます。
電子申請には、GビズIDが必要になります。アカウントの作成に時間がかかるためあらかじめ準備しておきましょう。詳しい申請方法は厚生労働省がYouTubeで解説しているほか、環境省の公式サイトでも操作マニュアルが公開されています。
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