水産加工業の原材料調達、政府が緊急支援 最大5500万円を補助
水産加工業原材料調達円滑化緊急対策支援事業とは、おもに中小の水産加工業者の①原材料の調達方法の変更、②販路の維持・拡大、③加工機器の導入を支援する水産庁の補助事業です。補助上限は5500万円、中小企業の補助率は2/3以内です。公募締め切りは6月30日までですが、予算残額や応募状況次第で、再度公募を実施する場合があります。
水産加工業原材料調達円滑化緊急対策支援事業とは、おもに中小の水産加工業者の①原材料の調達方法の変更、②販路の維持・拡大、③加工機器の導入を支援する水産庁の補助事業です。補助上限は5500万円、中小企業の補助率は2/3以内です。公募締め切りは6月30日までですが、予算残額や応募状況次第で、再度公募を実施する場合があります。
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事務局の水産物安定供給推進機構の公式サイトによると、ロシアのウクライナ侵攻により、水産加工品の原材料の確保が難しくなっています。この影響が続けば、中小の水産加工業者は厳しい経営状況に陥るため、原材料調達先の多様化などの経費を支援するのが水産加工業原材料調達円滑化緊急対策支援事業です。
この事業で言う「水産加工品」とは、水産動植物を主原材料(原材料割合で50%以上、練り製品は20%以上)として製造された食用加工品、生鮮冷凍水産物だと定義しています。
支援対象となる水産物は、ロシアからの水産物の輸入実績・動向から選ばれています。今後の輸入動向・実績から追加の可能性もあります。
補助率は、中小企業は2/3以内、中堅企業が1/2以内です。大企業は補助の対象外です。補助上限は、取り組み1件または1事業者あたり5500万円です。つまり、一つの計画書で、複数の魚種、取り組みを盛り込んで申請できますが、補助上限は5500万円です。
補助の対象となる経費は、2022年4月1日~2023年3月31日に実施し、ほかの補助事業を受けていないことが条件です。
具体的には下記の4つの取り組みの経費が対象となります。
取り組み | 経費 |
---|---|
原材料の調達方法(調達水産物、調達先、 調達経路)の変更 |
運送経費(トラックへの積み下ろし費や入出庫費等の運送に附帯する経費も)、製氷購入費 |
新商品開発 | 原材料費、梱包用資材費、新商品販売用資材費、製品パッケージ作成費、専門家派遣(専門家による新商品開発指導)費 |
販売促進・広告宣伝 | 商談旅費、サンプル製品用原材料費、サンプル製品送料、広告宣伝費 |
加工機器導入(既存の加工機器では新たな原材料の加工ができない場合に限る) | 水産物加工機器の導入費用及び当該機器の設置費用 |
調達方法には、調達水産物、調達先、調達経路の変更などが想定されています。運送経費、製氷購入費などが対象です。
運送経費には、原材料の調達方法の変更により、新たな水産物を原材料として調達する場合において、日本国内で発生するトラックやフェリーによる直接的な運送費、トラックへの積み下ろし費や入出庫費などの運送に当たって附帯経費も対象になります。
新商品とは、原材料の調達方法の変更、販路の維持・拡大を目指す取り組みにより、新たに開発・製造される水産加工品を指します。副原料や調味料も補助対象です。
対象経費には、原材料費、梱包用資材費(段ボールや緩衝材など)、新商品開発用資材費(のぼり・ポップ・チラシ・パンフレットなど)、製品パッケージ作成費、専門家派遣費(専門家による新商品開発指導)が含まれます。
商談旅費、サンプル製品用原材料費、サンプル製品送料、広告宣伝費などが対象です。
水産物加工機器の導入・設置費用(既存の加工機器では新たな取組が実施出来ない場合に限る)を含みます。
設置費用は、運搬費、電気・水道・ガス工事費、機器・搬入設置時の建物・床面等工事費を含みます。ただし、すでに所有している機器の単純更新は対象外になるので注意しましょう。
補助事業の募集は2022年5月31日~6月30日です。ただし、予算残額や応募状況次第で、再度公募を実施する場合があります。
補助金の申請から受け取りまでの大まかな流れは次の通りです。
申請要領や申請フォームは、事務局の水産物安定供給推進機構の公式サイトへ。
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