目次

  1. 「後を継がなければ」という気負いはなかった
  2. 現場に入って目の当たりにした“混沌”
  3. 「勝手なことをするなよ」と釘を刺された
  4. 組織改善に終わりなし
  5. BBQ(バーベキュー)との出会い
  6. 10年間で利用者が10倍に
  7. 祖父の働き方が背中を押した BBQ事業部の分社化
  8. BBQを通したコミュニケーションの場を作りたい
  9. 閑散とした地域こそBBQでにぎわいを

 不動産や飲食業、ホテル業など、祖父が所有していた幅広い事業の中から、父親へと引き継がれたビジネスホテル。3兄弟の長男として育ちながらも「自分が家業を継がなければ」という気負いは無かったと言います。

 大学時代は関西学院大学のアメリカンフットボールチームに所属。卒業後は、大手レストランチェーンや一流ホテルの宴会場に勤務しました。

 体力勝負の現場でがむしゃらに働き、飲食業の現場経験を十分に積んだものの、次のステップとして期待していたビジネスの管理や拡大について学ぶ機会に恵まれず「今後自分はどこにたどり着くのだろう」と先の目標を見失いかけていた頃。父に相談すると「それならちょっと戻ってくるか」と言われ、自然な流れで家業に入ったと言います。

 成田さんは最初の4年間、新しいプロジェクトの立ち上げを担当する企画室長兼ホテル内のレストランの店長として勤務しました。そこで、現場の抱える問題を知ることになります。

 例えば、中間管理職を飛ばして社長から現場へ直接指示が入るため、中間管理職が現場の状況を把握しづらくなる。会議で決まったことが参加していなかった上司の一声で取り消しになる。社員が休暇を希望通りに取れない不満の矛先が、経営陣ではなくシフト担当者へと向いてしまっている。

 そんな、組織の混沌とした状況が次から次へと目に入り「組織の体系が整っていないために、一人ひとりの努力が空回りしている」と感じていました。

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