目次

  1. iRobot(アイロボット)とは
  2. Amazonによる買収の概要
  3. コリン・アングル会長兼CEOのコメント
  4. ルンバが収集するデータとAmazonの連係に注目

 iRobot(アイロボット)は、コリン・アングル氏が1990年、米マサチューセッツ工科大に在学中、ロドニー・ブルックス人工知能研究所所長や、学友の女性ヘレン・グレイナーとともに設立した会社です。

 1997年、火星探査ロボットをデザインした功績で米国航空宇宙局(NASA)グループ功労賞を受賞。2002年、アメリカで自動掃除機ルンバの発売開始。コーラのテレビCMで一気に人気となりました。日本でも発売されたのは2003年でした。

 アイロボットは、ルンバのほかにも軍事、政府用ロボットも開発してきました。2011年3月に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故では、こうした知見を生かして、放射能測定などに使うロボットをいち早く提供していました。

 2016年、軍事ロボット部門を売却し、家庭部門に注力すると発表していました。ただし、この家庭部門でも近年、競争が激化しています。

 Amazonの公式サイトによると、Amazon はiRobot の純負債を含め、約17億ドル相当の全額現金取引で、iRobot を買収します。取引の完了後、 コリン・アングル氏はiRobotのCEOとして留まるといいます。

Amazonは、人々が自宅でより多くのことができるようにするイノベーションを起こそうという情熱を私たちと共有しています。私たちのチームが自分たちの使命を続けるのにこれ以上の場所は思いつきません。

Amazon公式サイト

 iRobotのプライバシーポリシーによると、iRobotやその子会社、持ち株会社と持ち株会社のグループ会社などは、プライバシーポリシーに基づいてiRobotと同じ方法で顧客の個人情報を使用しますと明記されています。

 ルンバが掃除のときに作成する部屋のデータをほかのデータと組み合わせてビッグデータ解析することで部屋に適した商品の提案などができる可能性もあります。過去にもアメリカのメディアで、iRobotがAmazon、Google、Appleなどとデータ連携するのではないかという指摘が複数回出ていました。

 買収によって、今後のプライバシーポリシーがどのように変わるのか、データをどのように連携するのかについても注目が集まりそうです。