目次

  1. 「職住隣接」が嫌だった
  2. 28歳で古着店を廃業
  3. タリーズのFC権を獲得
  4. 父が亡くなり35歳で後継者に
  5. 口蹄疫発生で新商品の開発へ

 一平HDは九州産の食材を使った「九州パンケーキ」の製造販売のほか、「九州パンケーキカフェ」など九州に八つの直営飲食店、国内外に五つのフランチャイズ店を経営。宮崎を拠点に幅広いビジネスを展開しています。HD傘下に二つの事業会社を抱えています。

 グループの原点が、村岡浩司さんが2代目として生まれた宮崎市の「一平寿し」です。初代店主で村岡さんの父・正二さんが創作料理として「レタス巻き」を生み出し、宮崎の郷土料理として認知されるなど人気店となりました。

一平寿しの「元祖レタス巻き」(一平HD提供)

 繁盛する店を切り盛りする両親とは「ゆっくり食事をした記憶がほとんどない」という村岡さん。小学生の時、店の2階にあった村岡さんの部屋に酔客が上がり込んで寝ていたこともあったといいます。そんな「職住隣接」の環境が嫌いで、店を継ぐことは「当時は全く考えていなかった」と語ります。

 村岡さんは子どものころ吃音(きつおん)症に悩んでいたこともあり、高校時代は「早くここから逃げたい」とも考えていたそうです。

 映画「スタンド・バイ・ミー」を見て、米国の自由な雰囲気にあこがれたことから、卒業前に「米国に留学したい」と両親に相談。すると「留学のことなどわからんので、これでなんとかしろ」と正二さんに現金100万円を渡されました。

 2年で帰る約束で、コロラド州デンバー近くにある都市グランドジャンクションに旅立ちました。

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