京都の老舗喫茶店イノダコーヒ、事業承継のためファンドへ株式譲渡
京都市の老舗喫茶店「イノダコーヒ」は、事業承継のため投資会社のアント・キャピタル・パートナーズが運営するファンドへ株式を譲渡しました。イノダコーヒの前田利宜社長が引き続き経営に携わり「京都の朝は、イノダコーヒの香りから」という創業時からの理念は継承されるといいます。
京都市の老舗喫茶店「イノダコーヒ」は、事業承継のため投資会社のアント・キャピタル・パートナーズが運営するファンドへ株式を譲渡しました。イノダコーヒの前田利宜社長が引き続き経営に携わり「京都の朝は、イノダコーヒの香りから」という創業時からの理念は継承されるといいます。
イノダコーヒの公式サイトによると、1940年6月、現在の本店のある京都市中京区で、創業者猪田七郎氏が各国産珈琲卸売を開始したのが始まりでした。コーヒーショップの開業は、1947年。池波正太郎の著書にも登場し、高倉健さんが京都での撮影時に行きつけの店の一つとしても知られています。
1993年に猪田浩史氏が事業承継して新社長に就任し、2007年からは会長となっていました。2022年9月27日時点で京都市内に6店舗のほか、東京都千代田区、横浜市、広島市にも各1店舗展開しています。
イノダコーヒは創業当時から3つのこだわりを大切にしてきたといいます。
イノダコーヒは2022年9月27日、「猪田浩史会長による事業承継を目的とした株式譲渡が行われ、アント・キャピタル・パートナーズが運営するファンドを新しいオーナーとして迎えた」と発表しました。M&A仲介のストライクの紹介で実現したといい、株式譲渡も9月27日に行われました。
アント・キャピタル・パートナーズは「株式の所有と経営は別」と説明しており、社外取締役を派遣する一方、イノダコーヒの前田利宜社長が引き続き経営に携わり、店舗も維持する方針です。イノダコーヒは「これからもお客様に愛され、地域に必要とされるお店作りを実現して参ります」とコメントしています。
イノダコーヒは自社 EC や全国の百貨店等での催事においても、自家焙煎の珈琲等自社のオリジナル商品の販売を展開しており、アント社は「イノダコーヒの理念を継承しながら、更なる事業の成長と発展のサポートを積極的に行ってまいります」とコメントしています。
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