目次

  1. 5Gとは
  2. 5Gの通信速度、4Gの10倍以上 同時接続数も10倍に
  3. デジタル田園都市国家インフラ整備計画「地方でも5G整備が重要」
  4. 5G人口カバー率、2022年度末で96.6%
  5. 都道府県別の5G人口カバー率
  6. 5Gの通信エリアの確認方法

 5Gとは、5th Generation(第5世代)移動通信システムの略称の通信規格です。国内の携帯電話などの移動通信方式は、1979年の第1世代のアナログ式から、およそ10年ごとに新方式が導入されてきました。

 2000年代に3Gが導入されると携帯電話からウェブを見られるようになり、4Gでは、スマートフォンで動画を見られるようになり、スマホから決済できるサービスも広がりました。

 総務省の情報通信白書によると、4Gは、通信速度が下りで最大1Gbps程度、上りで最大数百Mbps程度だったのに対し、5Gは、下りで最大20Gbps程度、上りで最大10Gbps程度を目指しており、4Gの10倍以上の速度となることが見込まれているといいます。

 さらに遠隔地でもロボットなどの操作をスムーズに行える「超低遅延」という特徴に加え、同時接続できる機器の数も大幅に増えます。5Gでは1平方㎞あたり100万台程度の端末が同時に接続できると見込まれており、4Gの10倍にもなります。

 情報通信白書は「IoT時代において膨大な数のセンサーや端末が存在する場合(例:スマート工場、スマートメーター、インフラ維持管理)であっても、通信に支障が生じないことが期待される」と紹介しています。

 政府は、「新しい資本主義」の実現に向けて、地方からデジタルの実装を進め、活力ある地域づくりを目指す「デジタル田園都市国家構想」を掲げています。この構想実現のために、総務省は「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」を作り、5Gも不可欠なデジタル基盤の一つに挙げられています。

 計画のなかで、世界最高水準の5G環境の実現を目指すとしており、第1段階で、5G基盤を全国に整備し、第2段階で、基地局を地方展開し、エリアカバーを全国で拡大すると掲げています。 この具体的な目標として「5G人口カバー率」を示しています。

 5G人口カバー率とは、500m四方エリア(人口のあるエリアは全国に約47万)のうち、5G通信ができるエリアの人口を総人口で割った割合のことです。

 総務省は、2022年度末時点の全国の5G人口カバー率が、96.6%だと公表しました。今後について、デジタル田園都市国家インフラ整備計画では、次の目標を掲げています。

  • 2025年度末……全国97%、各都道府県90%程度以上(合計30万局)
  • 2030年度末……全国・各都道府県99%(合計60万局)

 都道府県別に5Gカバー率を見ると、大阪府、神奈川県、東京都、埼玉県は99%を超えている一方、岩手県、島根県、高知県、大分県、鹿児島県は80%台にとどまっているなど、都道府県によって差があります。とくにデジタル田園都市国家構想の実現に向けて、地方の整備が課題となりそうです。

 5Gの通信エリアを調べるには、各携帯会社の公式サイトで確認してください。