大川家具のものづくりとは

 大川市は、家具類の出荷額、企業数ともに日本一とされる街です。丸田さんの祖父が創業した丸田木工は、たんすなどの婚礼家具を長年作ってきました。

 「婚礼家具は一生もの」と言われるように、丸田木工の家具作りには、長く使ってもらうための技術が多くこめられてきたといいます。時代の変化とともに婚礼家具の需要は減ってきたものの、洋風のクローゼットにあわせて使えるたんすなど、形を変えてその技術を発信。安価ではないけれど、価格に見合った良さが伝わるものづくりを続けています。

 こうした家具メーカー約120社からなるのが、大川家具工業会です。約60年前、弱い立場に置かれていた家具の作り手たちが、その環境を変えようと結集したのがルーツとされます。

 近年、大川家具工業会が力をいれているのが、サステイナブルな国産木材「センダン」の普及です。これまで国産材として多く使われてきたのは、戦後に植えられたスギやヒノキでした。これらは成木になるまで60~70年かかるため、今から増やそうとしても収益化が難しいなどといった課題がありました。

 そこで大川家具工業会が注目したのが、「ジャパニーズマホガニー」とも呼ばれるセンダンです。センダンを使った家具を少しずつ作ってPRをしながら、全国での植樹活動を進めています。

センダンの植樹の様子(大川家具工業会提供)

インタビュー音声を公開

 ラジオ形式のインタビューでは、前半30分で丸田木工3代目の丸田雄大さん、後半30分では「手作り家具工房日本の匠」の代表で、センダンの植樹も担当している森田英友さんに登場してもらいました。

 丸田さんには、長く使える家具に込められた技術や、製薬会社をへて入社した家業への思いをたずねました。森田さんには、センダンに注目した理由や今後の可能性、さらに災害材の利用などについても語ってもらっています。