目次

  1. SS過疎地問題とは SS数はピーク時の半分以下
  2. SS(サービスステーション)の事業再構築・経営力強化事業とは
  3. SS技術開発・実証及びSS過疎地対策計画策定事業事例集

 地方のガソリンなどの燃料供給体制は、電動車の普及などによる石油製品の需要減や後継者・人手不足などにより脆弱になるおそれがあります。海外だけでなく、日本でも菅元総理が2021年の施政方針演説で「2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現する」と表明しており、今後もガソリン需要は下がると見込まれています。

 資源エネルギー庁が公式サイトで公表している資料によると、全国のSS(サービスステーション:ガソリンスタンド)の数は2021年度末時点で2万8475カ所。1994年度末の6万421カ所をピークに減り続けており、ピーク時の半分以下となっています。

 2022年3月末時点でSSが1カ所のみの自治体は89町村あり、SSが一つもない自治体は以下の10町村です。近隣にSSがない場合、自家用車や農業機械への給油や移動手段を持たない高齢者への冬場の灯油が入手できないという「SS過疎地問題」が懸念されています。

  1. 青森県西目屋村
  2. 群馬県明和町
  3. 富山県舟橋村
  4. 大阪府豊能町
  5. 奈良県三宅町
  6. 奈良県上牧町
  7. 奈良県黒滝村
  8. 和歌山県北山村
  9. 山口県和木町
  10. 鹿児島県三島村

 こうしたなか、政府はSSの供給継続に役立つ設備の導入や人材育成を支援することで、SSの事業再構築・経営力強化を推し進める方針です。2022年度補正予算案に「SS(サービスステーション)の事業再構築・経営力強化事業」が盛り込まれました。

 揮発油販売業者などに対し、燃料供給を継続していくための計画をつくることを前提として、SSのデジタル化に資する設備や配送効率化に資する設備、計量機や地下タンク・配管の設備などのSSの事業再構築・経営力強化に向けた設備投資や人材育成を支援します。

 事業の詳しい内容は今後発表される予定です。

 SSへの補助事業はこれまでも続けられており、全国石油業共済協同組合連合会(全石連)の公式サイトで、参考になる取り組みが紹介されています。