目次

  1. はじめに
  2. 成年後見制度とは
    1. 法定後見制度
    2. 任意後見制度
  3. 成年後見制度の第1期促進計画
  4. 第1期計画で達成できたこと
  5. 第1期で浮き彫りになった課題
  6. 成年後見制度の第2期促進計画
  7. 許認可の世代交代への影響は
    1. 成年後見制度が必要なときにだけ使えるようになったら
    2. 法改正との関係は
  8. 事業者保護への懸念点は
  9. 成年後見制度改正の動きに注目を

 本シリーズでは、許認可等を保有している企業の経営者と後継ぎが抱えるリスクと事業継続への備えについて4回にわたって伝えてきました。最終回は、成年後見制度の改革の動きが与える影響について考えます。

 例えば、成年後見制度の改革によって企業に与えられた許認可権が不安定になる事態も想定されます。その際、商取引や法律行為を制限無く進めることができるのか、特に不動産売買やお金の動きについても影響がありそうです。

 あくまで「もしこのように改正されたらどうなるか?」という仮説ですが、現場の声をくみ取った筆者の実務経験に基づく予想や意見になります。なお、今後の法改正のゆくえに左右されるため、すべてに適用されるわけではないことを申し添えます。

 まずは「成年後見制度」について説明します。法務省のホームページによると、成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々を保護、支援するための制度と説明しています。

 このような方々が、不動産や預貯金などの財産を管理したり、介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分自身で進めるのは難しい場合があります。

成年後見制度のイメージ(出典:法務省ホームページ https://www.moj.go.jp/MINJI/minji95.html)

 後見には大きく分けて2種類あります。法定後見と任意後見です。

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