目次

  1. 建設業許可とは
  2. 10年先を見据えて準備を
  3. 建設業許可の核になる人材
    1. 経営業務の管理責任者とは
    2. 専任技術者とは
    3. 「ベンチ入りの交代要員」とは
    4. 専門家に相談を
  4. 改正建設業法「承継認可の制度」
  5. 承認認可制度活用のポイント
    1. 相当なハードスケジュールになる
    2. 許可要件のチェックを
    3. すでに許可を持っている場合
  6. まとめ

 本シリーズは許認可を保有している企業の経営者と後継ぎが抱えるリスク、そして事業継続への備えについて順にお伝えしています。3回目からは業種別に許認可の引き継ぐポイントや注意点を解説します。

 今回は建設業を取り上げます。建設業者は47万5293社(2022年3月末時点、国土交通省まとめ)もあり、後継ぎがいるファミリービジネスも少なくありません。許認可の承継準備を怠ると起こりうる事態についてみていきましょう。

 建設業許可とは建設業法3条に規定されています。法人でも個人事業主でも、また請け負う工事が公共か民間かを問わず、完成を請け負う業務を行うために必要なものです。

 建設業許可は建設工事の種類ごと(業種別)に取得が必要です。建設工事は、土木一式工事と建築一式工事という二つの一式工事のほか、27の専門工事の計29種類に分類されています(参考リンク)。この建設工事の種類ごとに許可を取得することとされています。

 なお軽微な工事のみを請け負う場合、建設業許可は不要です。許可が不要な軽微な工事とは、建築一式工事以外の工事のうち1件あたりの請負金額が500万円(消費税込み)に満たない工事を指します(建築一式工事のみ基準が異なります)。

 建設業許可業者ということは、行政から経営能力、技術力、金銭的信用性があると認められたようなものです。事業者によっては建設業許可がなければ営業継続は不可能で、要件が欠けてしまったために許可が失効し、廃業に追い込まれることさえあります。そのような事態を避けるにはどうすればいいか、次章から詳しく見ていきます。

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