新東名高速道路の全線開通、2027年度に延期 NEXCO中日本が公表
新東名高速道路の全線開通が2027年度に延期することになりました。NEXCO中日本が公表しました。延期の理由として、工事中の新秦野インターチェンジ(IC)~新御殿場IC間で、脆弱な地盤や断層破砕帯が確認されており、対策しつつ慎重に工事を進めるためと説明しています。
新東名高速道路の全線開通が2027年度に延期することになりました。NEXCO中日本が公表しました。延期の理由として、工事中の新秦野インターチェンジ(IC)~新御殿場IC間で、脆弱な地盤や断層破砕帯が確認されており、対策しつつ慎重に工事を進めるためと説明しています。
NEXCO中日本によると、新東名高速道路は、神奈川県と愛知県を結ぶ総延長約250kmの高速道路です。
東西交通を分断する通行止めのリスクや渋滞を減らし、ネットワークの信頼性を向上させることを目的に建設されています。2012年4月14日、御殿場ジャンクション(JCT)~三ヶ日JCTまでの約162kmが開通しました。
新東名の全線開通予定は何度も延期されてきましたが、その後も徐々に開通区間が伸びています。2022年時点で、残すは工事中の新秦野インターチェンジ(IC)~新御殿場IC間となっています。
2022年12月16日に開催したE1A新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT)連絡調整会議で、NEXCO中日本は新東名高速道路の新秦野IC~新御殿場IC間の開通予定を2027年度(令和9年度)に見直すことを明らかにしました。
議事などによると、工事区間は橋梁区間が約2割、トンネル区間が約5割を占め、特に神奈川県山北町や松田町の辺りは急峻かつ狭隘な山岳地形だといいます。
そんななか、山北町と松田町をつなぐ高松トンネルの未掘進区間に、脆弱な地盤や断層破砕帯が確認され、慎重に工事を進める必要があると説明しています。
具体的には、高松トンネルに点在する緑色凝灰岩は掘削後、水に触れると、浸水崩壊・膨張する性質が強く、トンネル内空断面の変形が発生しやすいといいます。
また、断層破砕帯とは、ずれの生じた断層面に破砕された岩石が集まっている部分を指し、大量の湧水やそれによるトンネルの変形や崩落が問題となります。
会議の議事によると、延期報告に対し、沿線自治体からは安全を最優先した上で、1日も早い開通を要望する声が上がったといいます。
御殿場 JCT~浜松いなさJCT間が開通10周年を迎え、企業進出や観光振興が進んでおり、全線開通へ向けた期待はより一層膨らんできているとも記しています。
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