公共工事設計労務単価とは 2024年3月から前年度比5.9%引き上げ
公共工事設計労務単価とは、国が公共工事の積算に用いる労務単価のことです。国土交通省は2024年3月から、全国全職種単純平均で前年度比5.9%引き上げ、全国全職種加重平均値を2万3600円とすると発表しました。必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った2013年度の改訂から12年連続の引き上げとなります。ポイントを整理しました。
公共工事設計労務単価とは、国が公共工事の積算に用いる労務単価のことです。国土交通省は2024年3月から、全国全職種単純平均で前年度比5.9%引き上げ、全国全職種加重平均値を2万3600円とすると発表しました。必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った2013年度の改訂から12年連続の引き上げとなります。ポイントを整理しました。
国交省によると、公共工事の発注に必要となる予定価格の決定は「予算決算及び会計令」で取引の実例価格、需給の状況などを考慮して適正に定めることになっています。
そこで、農林水産省や国土交通省は、公共工事の予定価格の積算に必要な公共工事設計労務単価を決定するため、公共事業などに従事した建設労働者などへの賃金の支払い実態を、1970年から調査を続けています。
公共工事設計労務単価は、次の4つで構成されています。
一方で、以下の3つの必要経費は公共工事設計労務単価に含まれていません。事業主が下請代金に必要経費分を計上しなかったり、下請代金から必要経費を値引いたりすることは不当行為にあたるので注意が必要です。
公共工事設計労務単価は、国土交通省不動産・建設経済局建設市場整備課及び各地方整備局技術管理担当課などで閲覧できます。
2023年度に実施した公共事業労務費調査にもとづき、国交省は公共工事設計労務単価を決定し、2024年3月から適用することを発表しました。
必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った2013年度の改訂から12年連続の引き上げとなり、全国全職種加重平均値が2万3600円となりました。2023年度から5.9%の引き上げとなりました。
公共工事において広く一般的に従事している主要12職種でいうと、加重平均値が2万2100円でした。
職種 | 全国平均値 | 2023年度比 |
---|---|---|
特殊作業員 | 2万5598円 | +6.2% |
普通作業員 | 2万1818円 | +5.5% |
軽作業員 | 1万6929円 | +6.3% |
とび工 | 2万8461円 | +6.2% |
鉄筋工 | 2万8352円 | +6.6% |
運転手(特殊) | 2万6856円 | +6.3% |
運転手(一般) | 2万3454円 | +7.2% |
型枠工 | 2万8891円 | +6.6% |
大工 | 2万7721円 | +4.9% |
左官 | 2万7414円 | +5.0% |
交通誘導警備員A | 1万6961円 | +6.4% |
交通誘導警備員B | 1万4909円 | +7.7% |
国交省によると、単価設定のポイントは次の通りです。
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