【最終警告】損害賠償金の支払いのお願いのFAXは「虚偽」、弁護士会が指摘
杉本崇
(最終更新:)
第一東京弁護士会は2023年3月15日、「法律事務所Steadiness 唐澤貴洋」の名前で、「【最終警告】損害賠償金の支払いのお願い」と書かれた文書が各地に届き、虚偽の内容で金銭の支払が要求されるという事案が起きているとして注意を呼びかけました。「全く身に覚えのない上記の文書を受け取った場合には、金銭の支払をすることなく、弁護士に対する個別の問合せについてもお控えいただきますよう、お願い申し上げます」と説明しています。
FAXで送られてきた【最終警告】と書かれた文書内容
ツギノジダイ編集部が取材したところ、北海道から沖縄県まで様々な地域の中小企業などにFAXで届いていることがわかりました。
ある中小企業に届いたFAXでは「【最終警告】損害賠償金の支払いのお願い」と題して、東京地裁で損害賠償金請求が認められたが期日までに300万円が支払われていないとして、弁護士事務所の銀行口座へ振り込むよう要求しています。期日までに支払われない場合は東京地裁に強制執行の申立をすると書かれています。
取材のなかで、支払期日は3月18日だけでなく、様々なパターンのFAXが見つかりました。こうしたFAXは6月に入っても各地に届いており、セクハラ事案の和解金名目で300万円の支払いを求めています。
第一東京弁護士会は「虚偽」と注意呼びかけ
これに対し、唐澤弁護士が所属する第一東京弁護士会は公式サイトで、「当会において調査したところ、唐澤弁護士が当該文書を作成及び送付した事実はなく、何者かが、同弁護士の名前を騙って虚偽内容の文書を送付した、悪質な事案であると考えております」とのコメントを発表しました。
そのうえで、金銭の支払に応じたり、弁護士に個別に問い合わせをしたりしないよう求めています。
経営者に役立つメルマガを配信 無料会員登録はこちら
この記事を書いた人
-
杉本崇
ツギノジダイ編集長
1980年、大阪府東大阪市生まれ。2004年朝日新聞社に記者として入社。医療や災害、科学技術・AI、環境分野、エネルギーを中心に取材。町工場の工場長を父に持ち、ライフワークとして数々の中小企業も取材を続けてきた。
杉本崇の記事を読む