目次

  1. 情報処理推進機構(IPA)とは
  2. IPAが公式サイトをリニューアル
  3. IPA、少なくとも半分のページをリダイレクトへ

 情報処理推進機構(IPA)とは、経済産業省のIT政策の実施機関です。2004 年に発足し、情報セキュリティ対策の実現やIT人材の育成といった役割を担ってきました。 

 IPAは2023年3月に公式サイトをリニューアルしました。「IPAウェブサイトのリニューアル実施業務」の入札公告によると、約1万3000ページあるサイトで、情報の探しやすさ向上と、ウェブアクセシビリティ確保などを目的とし、契約金額は約2.8億円でした。

 IPAの広報担当者は「旧サイトでは組織ごとに構成していたページを、ユーザーの目的に合わせた分野別に構成するよう、サイト構造を変更しました」と説明しています。3年以上前のイベントなど情報が古くなったものや事業終了にともない更新がなくなったものなどを2022年から段階的に掲載終了し、新サイトで掲載を継続したのは約6000ページだといいます。

 さらに、スマートフォンやタブレットから閲覧する場合でも適切に表示されるようにマルチデバイス対応を行うとともに、ユーザーが目的のコンテンツを探しやすくするためにメニューや導線を改善したといいます。

 しかし、その一方、新 CMS (コンテンツ管理システム)へ移行するなかで、多くのページのURLが変更となりました。これまでIPAのサイト文献を引用してきた外部のサイトで多数のリンク切れが発生し、SNSで批判の声が上がりました。

 Google検索などで、特定のキーワードのサイトを探そうとしても「404 Not Found(お探しのページ・ファイルが見つかりませんでした)」のページが表示され、サイト内検索でもリニューアルした新しいページにたどり着かない状況となりました。

 ツギノジダイでもサイバーセキュリティ関連の解説でIPAのページを引用した記事が多数あり、リンク先の確認や差し替えを実施しました。

 たくさんの批判が寄せられたことに対し、IPAは4月3日になって「おわび」を発表。

 「今回の対応は、多くのユーザーがIPAウェブサイトに掲載されたコンテンツへのリンクを自組織のサイトや資料等で活用していることの影響に関して、認識が不十分でした」とコメントしました。

 今後の対応として、リダイレクトの追加対応を早急に進めているといいます。具体的には、「脆弱性対策情報」や「情報処理安全確保支援士」、白書など重要度の高い事業については原則、全件をリダイレクト対象とする予定です。

 対象となるのは、少なくとも掲載継続をする全体の半分に相当する約3000ページに上るとみられ、IPAはリダイレクトに向けて確認と準備を進めています。