目次

  1. 「給料は払えない」と言われても
  2. 父が示した道しるべ
  3. 失敗した住宅販売に再参入
  4. ツリーハウスを生かした街づくり
  5. ブランディング成功で人材獲得
  6. 江戸幕府をモチーフに組織改革
  7. ビジネスホテルを商業施設に
  8. 従業員の中から3代目を

 拓匠開発は工藤さんの父・茂さんが1988年に創業しました。創業35年の今は社員123人(グループ会社を含む)を抱え、宅地建物取引士22人、1級建築士3人の体制です。年商は約63億円にのぼります。

 創業時に中学生だった工藤さんから見た父は多くを語らず、いつも図面を描いていて、懸命に働いている印象でした。

 当時の拓匠開発はボロボロのアパートの2階で、「社長という仕事はギラギラしているイメージだったけれど、現実はこういうものなのかと」と思ったといいます。

 父から「後を継いでほしい」といった話は一切ありません。それでも、土木の勉強をしてほしいという気持ちは伝わり、工藤さんは日本大学生産工学部土木工学科に進学しました。

 工藤さんは大学で音楽に熱中し、イギリスや南アフリカに1年滞在しながら音楽を楽しむ学生だったといいます。卒業後は千葉県内の工務店に就職し、主に現場監督を担いました。

拓匠開発は現在、約120人の従業員を抱えています

 28歳で結婚し、2002年に3年勤めた会社を辞め、新婚旅行で世界各地を回りました。このころの工藤さんは「戻ってきたら拓匠開発で父に雇ってもらおう」という軽い気持ちがあったといいます。

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