目次

  1. ソーラー招き猫、全国約2500店舗の宝くじ売り場に
  2. コロナ禍で売上が半分以下のタイミングで社長就任
  3. 父から学んだものづくりの姿勢を守っていく
  4. 今までのヒットは偶然?社内にも焦りの色
  5. 社内のゴタゴタ 信念とちょっとの強引さで突き通す
  6. 少量生産、made in japanの『KOKUSAI DSP.』
  7. 受け身から自ら動く海外進出へ
  8. 他社の声で再確認 自社の当たり前が最大の魅力
  9. 3年以内に目指せ売上10倍 狙うはアメリカ

 国際ディスプレイの最大のヒット商品が、ソーラー招き猫です。

主要宝くじ売り場約2500店舗に置かれたソーラー招き猫(国際ディスプレイ工業提供)

 手が振り子のように動くその姿は福を招く猫として、1998年ごろ、全国の主要宝くじ売り場約2500店舗に置かれました。

 企画・開発された背景には、受注数が相手ありきになってしまう業界で、安定した注文を受けるために自社製品を作りたいという思いがありました。

 そこで、元々ムービングディスプレイ用に作ったモーターの動きを観察したところ「手が招いているように見える」との意見から、招き猫のソーラートイを開発。展示会でソーラー招き猫は宝くじ業界の関係者の目に留まり、あっという間に全国の宝くじ売り場に設置・販売されたのです。

国際ディスプレイ工業のソーラー招き猫

 ソーラー招き猫に内蔵されているモーターは、1999年に「室内光を動きに変えて起動する、世界初ソーラー振子」として、世界特許を取得しました。特許取得中にも関わらず、中国産のコピー品などが販売されていた事実はありますが、2012年に主軸モーターの特許が切れてからは、あっという間にコピー品にシェアを奪われたそうです。

 しかし、ソーラー招き猫の本家として、どんなにシェアを奪われても、製造を止めるという考えはありませんでした。

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