目次

  1. 「金沢カレー」の原点に
  2. 「倒産するのでは」という危機感
  3. 4年かけて整えた仕組み
  4. 実家と会社の資産を切り離す
  5. 限定メニューはマックを手本に
  6. 金沢カレーのブランド力を強みに
  7. コロナ禍で伸びた外販商品
  8. 創業家以外から初の取締役登用
  9. 金沢カレーの文化を守る

 「金沢カレー」の定義は諸説ありますが、とろみの強い濃い色味のルーの上に、ソースのかかったトンカツ、キャベツがのり、ステンレス製の舟皿で提供されるスタイルが特徴です。

チャンピオンカレーは金沢カレーを代表する店の一つです(同社提供)

 金沢市の洋食店でチーフコックを務めた南さんの祖父・田中吉和さんが1961年、金沢市内に「洋食タナカ」を開業。看板メニューだったカレーに「豚カツ定食」をのせたメニューが、現在の「金沢カレー」の原点と言われているそうです。

 洋食タナカはやがてカレー専門店となり、多店舗展開を開始。73年に本店を野々市市へ移転し、96年に現在のチャンピオンカレーとなりました。

南さんの祖父・田中吉和さんが開業した「洋食タナカ」(同社提供)

 ロースカツがのった「Lカツカレー」を軸に、月ごとの期間限定メニューなども提供。現在は北陸を中心に全国32店舗を展開、レトルトやチルドパックなどの外販を合わせ、2023年度の売り上げは約10億円を見込んでいます。従業員数は約90人(パート・アルバイトを含む)です。

 南さんは子ども時代から本店を訪れていましたが、家業を継ぐ意識はありませんでした。

 地元の高校を卒業後、米カリフォルニア大学サンティエゴ校の経済学部に進学。卒業後の09年、大和総研に入社しました。明確な人生プランは無かったものの「もしかしたら実家を手伝うかも」という思いはありました。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。