目次

  1. 豊富なアイテム数を強みに
  2. 父の急逝で覚悟を決めた
  3. 店頭販売や宅配に失敗
  4. 創業の原点に立ち返り新商品開発
  5. 新商品「素材調味だし」がヒット
  6. 自社ブランドもショップも
  7. 循環型農法にも取り組む
  8. 取引先の国が2倍に
  9. 「やってみればいいじゃん」の精神を継いで

 フタバは1953年、江口さんの祖父がかつお節をはじめとする食品販売会社として立ち上げました。62年にティーバッグ式のだしパックを開発。加工技術に強みを持ち、老舗との差別化を図っています。

 3棟の工場を運営。従業員は現在150人で、取引先数は約1万8千社にのぼります。売上高は約24億円で9割近くを業務用商品が占めます。

フタバのだしパック製法のイメージ(フタバ提供)

 主力商品は業務用のだしパックです。市販のだしパックはパックの中に粉砕したかつお節が入っているものが定番ですが、それとは全く異なる製造法といいます。「かつお節からエキスを抽出し、かつお節とエキスを混ぜ合わせます。乾燥させてパックに詰めて完成です」

 この製法で作ると濃厚なうまみの素が完成します。パック1袋(50グラム)で9リットルものだしが取れるそうです。

 削り節・粉末・液体だしなど、業務用・一般用を合わせて400点以上のアイテムをそろえています。「多種類のアイテムを販売するのは効率が悪い」と周りの経営者に忠告されたこともあるそうですが、アイテム数は増え続けています。

 「旅館、ホテル、割烹など、だしの味にこだわる職人さんたちのリクエストに応えてきたからです。現在、だしパックは90種類以上、削り節は100種以上をそろえています。これほど多くのだし商品を用意しているのは、全国でもフタバだけだと思います」

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