目次

  1. 建具職人だった祖父が創業
  2. 別の土俵で勝負してみたかった
  3. 下請けから直受け さらなる上流を目指す
  4. 材料の仕入れから自社で行えばいい
  5. 新規事業はそう簡単に成功しない、だから学び続ける
  6. 三方良しではなく全方よし
  7. 事業を進める上での根幹となっている「全方よし」の考え
  8. 会社案内とウェブサイトは常にブラッシュアップする

 山翠舎は山上さんの祖父であり、建具職人であった山上松治郎さんが建具屋として、山上木工所を1930年に創業したのが始まりです。山上さんの父親、現会長の山上建夫さんに代替わりすると、一般住宅や商業施設の建築なども手がける施工業者として事業を拡大。法人化も果たします。

創業当時の自宅(左)と作業場(右)の様子を描いた絵画

 自宅の前に作業場があり、幼いころから作業場から出た端材などで遊んでいたという山上さんは、家業の印象を次のように話します。

 「長野市としては初となる、マクドナルドやロイヤルホストといった有名チェーンストアなども手がけていました。実際にお店に行ったときは興奮しましたし、うれしく、誇らしい気持ちでもありました」

 父親に対して尊敬の念を抱き、自分も経営者になりたいと考えるようになっていったという山上さん。一方で父親とは違うタイプだと感じていたこともあり、別の土俵で勝負することにします。

 当時はインターネット黎明期。山上さんは大学時代、Web制作などITビジネスで起業します。さらなる飛躍を目指し卒業後はソフトバンクに入社。営業マンとして社長賞を獲得するなど活躍します。

 しかし、3年ほど働いた後、家業に入る決断をします。

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