目次

  1. 業務用の羽毛布団を生業に
  2. すし職人から家業へ
  3. 脱下請けで始めたレンタル布団
  4. 顧客の声で作ったペット用布団
  5. 冷ややかな反応でも製造を継続
  6. ネットニュースで一気に拡散
  7. ペット用の雑貨も食品も
  8. これからの時代は「ゼロイチ」で

 キムラは1970年に創業し、業務用羽毛布団の製造を始めました。現在は「キムラ京都布団」などのブランドを持ち、羽毛布団の製造と縫製、羽毛布団のレンタル、そしてペット用羽毛布団の製造・販売という四つの業務を行っています。従業員数は5人です。

 木村さんの父が1960年代半ばに立ち上げたキムラ縫製という縫製会社が前身で、やがてパートナー会社からホテルや旅館向けの羽毛布団の製造を依頼されます。

 当時はまだ一般家庭に羽毛布団が普及しておらず、旅行時の特別感を演出するアイテムでした。そこで羽毛の仕入れや布団の縫製まで一貫して行う設備を工場に整え、「株式会社キムラ」と社名も改めました。

建物2階の工場。ミシンで縫製された業務用羽毛布団やペット用羽毛布団が生み出されています

 木村さんは小学校時代、帰宅してランドセルを置いた途端、父から「おい、手伝え」と声がかかるのが常で、荷物運びや布団生地の寸法を測る手伝いをしていました。

 「大きな生地なので、長い定規で寸法を測り、線を引く作業は2人がかり。でも従業員はみんな忙しいので、軽作業は私の担当でした」

 20代のころは、すし職人として8年間働いていました。料理人の親戚や料亭を経営する親戚が多く、幼いころから高級仕出し弁当を口にしたり、目の前ですしを握ってもらったりしたため、志したのです。

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