目次

  1. 木工業で創業 2代目は半導体や食品関係の部品製造へ
  2. 2代目の急逝で事業承継 「負け戦だから」と止める社員も
  3. 納期通りに部品を納められず 顧客から怒りの電話も
  4. 『ザ・ゴール』との出会い 生産体制の全体最適を目指す
  5. 納期遵守率が向上 利益が残るように
  6. 売上10億円突破へ 実践できる企業づくりを目指す

 「鹿児島ケース」は精密板金加工の技術を駆使して機械部品を製造する会社です。金属製の薄い板を複雑な形に高精度で加工し、完成した部品を機械メーカーに納めています。顧客は県外が圧倒的に多く、その5割は九州、4割が中国・関西、1割が関東です。

 鹿児島ケースの創業は1985年。初代の居迫政清(いざこ・まさきよ)さんが、木製の食品ケース製造を中心とした木工業として創業しました。その後、精肉店や市場などで使用する冷蔵機能が付いたステンレス製の商品陳列ケースの製造を手がけるようになりました。

創業当時の写真。右から2人目が初代・政清さん(鹿児島ケース提供)

 初代の息子、2代目大作(だいさく)さんの時代になると、従来商品の製造と並行して、当時需要の伸びが予想された半導体関連・食品関連の部品製造にも参入しました。

 その後、顧客を全国各地に広げ、1999年には本社・工場の規模を拡大するために、現在地に移転しました。

鹿児島県西部、薩摩半島のほぼ中央に位置する日置市吹上町にある鹿児島ケースの本社・工場(同社提供)

 現在は従業員50人で、月産5000品目、25000点の部品をチームワークによって製造しています。機械で金属板を切って曲げて終わりではなく、職人の手作業も必要な複雑な形状の部品をつくることを得意としています。

 請け負う部品は多品種小ロット。通常、小ロットで複雑な形状の部品をつくると価格が割高になりますが、鹿児島ケースでは高い技術と徹底した生産管理によって、小ロットでも比較的リーズナブルな価格で商品の提供を可能にしています。

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