目次

  1. ファミコン部品の受注で急成長
  2. 憧れはマザーテレサだった
  3. 震災で会社と生活が一変
  4. 「あなたがいるでしょう」で心境に変化
  5. 「新規融資はできない」と通達が
  6. 覚悟を決めて事業再生へ
  7. 娘を育てる中でたどり着いたアイデア
  8. 科学的においしい米粉麺を追求
  9. 業務の多角化でリスク分散を
  10. 100年企業を目指していく

 1969年創業のアルファ電子は、電子機器組み立てをメインに事業を行う会社です。樽川さんの祖父がデジタル時計の組み立て製造からスタートし、高度成長期の波を追い風にして成長してきました。

 インベーダーゲームやファミコン、デジタルカメラ、携帯電話、医療機器など、その時代の変化に合わせながら、電子機器の受託製造を行っています。

 「子ども時代は従業員さんみんなが家族みたいで、自宅となりの工場が遊び場でした」

福島県天栄村にある、アルファ電子の本社工場

 社員10人ほどの会社の雰囲気がガラリと変わったのは、樽川さんが小学校にあがったころです。ファミコンの部品製造の受注がはじまったことで、工場が新設され、一気に社員300人規模の大きな会社になっていきました。

 樽川さんは、今でも仲良しという三姉妹の次女。「会社を継ぐ気なんてまったくありませんでした」と笑顔で話します。家業は長女が継ぐものとされてきた樽川家で、年子の姉とは明白な違いを受けて育ったそうです。

 「古い時代ですから、特に祖父母はあからさまでしたね。姉は可愛がられて大事にされて、海外旅行も姉だけ連れて行ってもらうとか…(笑)。それで屈折するようなことはなかったですが、私は家を出て行く子として育ったので早いうちから自立心が芽生えました」

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