目次

  1. 本の紹介者
  2. イシュー度の高い問題に集中的に対応
  3. アトツギ世代は対処すべき問題が格段に多い
  4. 問題は現場から起こり その答えも現場にある

渡部竜也さん

株式会社プロスパイン代表取締役。金融機関、コンサルティングファームを経て、2016年に義父が創業した同社に入社。2020年より現職。「ニッチな技術で顧客の期待に応え続ける」というビジョンを掲げ、主力商品である永久磁石を使用した非接触動力伝達部品「マグネットギア」の拡販に精力的に取り組んでいる。

 私(渡部さん)がサラリーマン時代から愛読している、いかなる仕事においても価値ある結果を出すために必要な心構え、方法論について的確に書かれた本です。

 ただがむしゃらに問題に対応する(=犬の道)のではなく、今答えを出すことの必要性が高い問題(=イシュー度の高い問題)を見極めて、その問題に集中的に対応することが価値ある仕事の基本であると筆者の安宅氏は説いています。

 私も含めた多くのアトツギは、自社の既存の問題だけでなく、少子高齢化やDX化といった現代ならではの問題に向き合わなければなりません。要するに対処すべき問題が先代の頃と比べて格段に多いのです。

 その中で、自社独自の本当に解決すべき問題(=イシュー度の高い問題)を見極める能力はアトツギにとって大きな武器になります。本書は10年以上前に刊行されたものですが、書かれている心構え、方法論からきっと多くの気づきを得られるでしょう。

 「一次情報を死守する」

 経営者となって改めて本書を読み直した時に一番心に響いた心構えです。問題は現場から起こりその答えも現場にあるということを日々の業務で痛感しています。

 本書を読んで、現場からの一次情報を直接拾いながら自社にとってイシュー度の高い問題は何なのかを常に模索するようになりました。