目次

  1. 本の紹介者
  2. チームの機能不全が起きる理由と解消法を解説
  3. まず安心して自分をさらけだせる環境づくりから

関根俊直さん

2011年にアイシン精機(現アイシン)に新卒入社し工場の生産管理業務を担当。2016年にビズリーチに転職。法人向け採用コンサルタント、自社の採用職を担う。 2020年に現職に入社。法人営業を行う傍ら、新規事業の立上げ・人事・社内のデジタル化を担い、価値ある企業への変革を推進中。数年以内に社長である父からバトンを受け取り、3代目として事業承継予定。 

 企業におけるチーム(組織)の機能不全が起きる理由とその解消方法について、とあるIT企業のフィクション形式の物語としてケーススタディ的に説明をしています。

 この本の構成自体が前半のケーススタディ部分と、後半のチームの機能不全の解消方法部分の2本立てとなっているため、非常に分かりやすく、実践しやすくなっています。

 機能不全についても

  1. 信頼の欠如
  2. 衝突への恐怖
  3. 責任感の不足
  4. 説明責任の回避
  5. 結果への無関心 

 といったそれぞれの性質があり、1.信頼の欠如、が生まれると、2.衝突への恐怖を生み出す。つまり1.を解消しないと2.も解消できないといった構造的に機能不全が起きることが説明されています。

 セルフチェックシートによって、現在の経営会議の機能不全を採点化し、また本の解消方法を参考に実践しました。

 そのなかで第1の機能不全と呼ばれている「信頼の欠如」の解消のために、チームで安心して自分をさらけ出し、弱みを見せられることが大事だと感じました。

 そこでいつものオフィスではない環境の会議室を借り、数回に分けてチームビルディングの企画を実施しました。

  • 家族構成や趣味などのプロフィールなどの改めての自己紹介
  • MBTIなどの性格・行動特性
  • 自分の強みと伸びしろ
  • 人生の満足度曲線

 この4つを共有して自己開示を促し、その上でお互いの強みと改善点を双方で伝え合うことも実施しました。互いの相互認識や理解が進んだこともあり、少しずつですが心理的安全性も高まってきております。

 結果として「吊るし上げの場」と言われていた経営会議の場も冒頭に雑談も交えた上で会議に臨んだり、 今まで提案が少なかった人からも積極的に出てきたりするなど、笑顔が出たりと少しずつ雰囲気も変わり始めております。

 現在では、第2の機能不全と呼ばれている「衝突への恐怖」の解消をすべく、あえて健全な衝突を生みだしたいと実践中です。

 議長である私(関根さん)自身が、ここはしっかりと衝突をした方がいいと思ったことを、あえて問題を掘り起こし、さらに「これは大事な議論なので続けましょう」と場をなだめることなく、あえて衝突を促すなど工夫をしており、健全な衝突を生み出しています。

 過去数年にわたってあえてお蔵入りをしていたような案件の対処も議論をするなど、今まで見過ごしていたような議題なども多く議論をしています。

 3.責任の感の不足はセルフチェックシートでは問題ない点数でしたが、4.説明責任の回避、5.結果への無関心についてはまだ課題がありそうなため、本で紹介されている解消方法を参考に、今後も実践あるのみです。