目次

  1. 業務改善助成金とは
  2. 最低賃金の引き上げへ業務改善助成金の助成条件
    1. 助成対象
    2. 助成率
    3. 助成上限額

 業務改善助成金は、業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げるための制度です。

 機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練など生産性向上のための設備投資をし、最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資にかかった費用の一部を助成します。

 物価高を上回る賃上げを実現するため、政府は最低賃金の引き上げを続ける一方、人件費増に悩む事業主向けに業務改善助成金の拡充を続けています。ただし、助成金は時限的な対応であることに注意が必要です。

 厚労省は、生産性向上に資する設備投資などを実施し業務改善を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業・小規模事業者に対し、その業務改善に要した経費の一部を助成する予定です。

 2023年度補正予算案に関連予算180億円を計上しました。予定している助成の条件は次の通りです。

 助成対象となるのは、中小企業事業者であり、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内である事業者です。

 助成率は拡充後の事業内最低賃金と、生産性要件を満たすかどうかで変わります。()内は生産性要件を満たした場合です。

拡充後の事業内最低賃金が900円未満 900円以上950円未満 950円以上
9/10 4/5(9/10) 3/4(4/5)

 助成上限額は、最低賃金を引き上げる人数と引上げ額で変わります。カッコ内は事業場規模30人未満の事業者の場合です。

引き上げる労働者/引き上げ額 30円 45円 60円 90円
1人 30(60)万円 45(80)万円 60(110)万円 90(170)万円
2~3人 50(90)万円 70(110)万円 90(160)万円 150(240)万円
4~6人 70(100)万円 100(140)万円 150(190)万円 270(290)万円
7人以上 100(120)万円 150(160)万円 230万円 450万円
10人以上※ 120(130)万円 180万円 300万円 600万円

 ※事業場内最低賃金が950円未満の事業者、コロナの影響により売上高等が15%減少した事業者または物価高騰等により利益率が3%ポイント以上低下した事業者のいずれか