目次

  1. キャリアアップ助成金の正社員化コースとは
  2. 正社員化コース、4つの拡充ポイントを紹介
    1. 助成金額、80万円へ拡充
    2. 有期雇用労働者等の要件緩和 「3年以内」外れる
    3. 正社員転換制度の規定に係る加算措置(新設)
    4. 多様な正社員制度の規定に係る加算措置(拡充)
  3. キャリアアップ助成金申請時の注意点

 厚労省によると、キャリアアップ助成金の正社員化コースとは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった「非正規雇用労働者」の企業内のキャリアアップを促進するため、正社員化した事業主に対して助成する制度です。

 正社員化を活用するには、有期雇用労働者などのキャリアアップ計画の提出が必要です。また、会社に正社員への転換規定がない場合は、申請前に労働局やハローワークで就業規則等の改定方法の相談などができます。従来の正社員化コースの詳細は、厚労省の公式サイトで確認してください。

 正社員化をさらに推し進めるため、厚労省は正社員化コースを拡充する方針です。ポイントは以下の4つです。

  1. 助成金の金額(拡充)
  2. 対象となる有期雇用労働者等の要件緩和(拡充)
  3. 正社員転換制度の規定に係る加算措置(新設)
  4. 多様な正社員制度の規定に係る加算措置(拡充)

 それぞれを詳しく解説します。

 正社員化のさらなる促進のため、助成額を以下の通り見直します。

企業規模 現行 拡充
中小企業 57万円 80万円
大企業 42万7500円 80万円

 現行は1期(6ヵ月)で57万円の助成ですが、拡充後は2期(12ヵ月)で80万円助成(1期あたり40万円)となります。上記は、有期→正規の場合の助成額で、無期→正規の場合は上記の半額となります。

 また、1人目の正社員転換時には、後述の加算措置があります。

 有期雇用期間が長期化している非正規雇用労働者に対する正社員化を支援するため、以下のように支給要件の緩和を図ります。

現行 拡充
対象となる有期雇用労働者等の雇用期間 6ヵ月以上3年以内 6ヵ月以上

 有期雇用期間が通算5年を超えた有期雇用労働者は、転換前の雇用形態を無期雇用労働者とみなし、「無期→正規」として助成対象となります。

 正社員化に新たに取り組む事業主に対する支援を強化するため、正社員転換制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合、20万円(大企業15万円)の加算措置を新設します。ただし、1事業所につき加算は1回のみとなります。

 「無期→正規」の転換制度を新たに規定した場合も同額を加算します。

 正社員化に当たり、「多様な正社員」の選択が可能となるよう、多様な正社員制度の導入に関する支援を拡充します。具体的には、「勤務地限定・職務限定・短時間正社員」制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合、次の加算措置があります。

現行 拡充
9.5万円(大企業は7万1250円) 40万円(大企業は30万円)

 ただし、1事業所につき加算は1回のみとなります。「無期→正規」の転換制度を新たに規定した場合も同額を加算します。

 厚労省によると、キャリアアップ助成金の申請や、助成対象の診断および受給額の無料査定をするといったFAXや電話の勧誘が相次いでいるといいます。「こうした勧誘の中には、厚生労働省が関与していることを示唆する内容が含まれている場合がありますが、厚生労働省や労働局・ハローワークでは、このような勧誘に関与している事実はありません」として注意を呼び掛けています。

 また「100%助成金が受けられます。」といったうたい文句での勧誘もあるといいますが「支給要件を満たしていないと判断された場合、受給できません」とも注意喚起しています。