工場・事業所の省エネ補助金・省エネ診断、2024年に拡充へ 補正予算案
事業者向けの省エネ補助金や省エネ診断が2024年に拡充される見込みです。政府の2023年度補正予算案に盛り込まれました。補正予算案によると、企業向けには、工場等における省エネ設備への更新に対する支援を大幅に拡充するとともに、専門家による省エネ診断に対する支援を強化する見込みです。制度の詳細を紹介します。
事業者向けの省エネ補助金や省エネ診断が2024年に拡充される見込みです。政府の2023年度補正予算案に盛り込まれました。補正予算案によると、企業向けには、工場等における省エネ設備への更新に対する支援を大幅に拡充するとともに、専門家による省エネ診断に対する支援を強化する見込みです。制度の詳細を紹介します。
省エネ補助金とは、政府が掲げている2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅や事業所などの省エネルギー対策に取り組む費用の一部を国などが支援する補助金です。
たとえば、事業者向けには、工場のボイラや工業炉、ビルの空調設備や業務用給湯器などを、省エネ型設備へと更新するための補助金などが含まれています。
資源エネルギー庁などによると、エネルギーコストが上昇するなか、事業者向けには政府の2023年度補正予算案に次のような支援パッケージを盛り込んでいます。
それぞれについて詳しく紹介します。
省エネ補助金は、複数年の投資計画に切れ目なく対応する仕組みを適用し、今後の支援の予算規模について、今後3年間で7000億円規模へと拡充しようとしています。
また、脱炭素につながる電化・燃料転換を促進する類型を新設し、中小企業のカーボンニュートラルも促進させようとしています。
工場全体の省エネ、一部の製造プロセスの電化・燃料転換(新設)、リストから選択する機器への更新の3つの類型を準備しています。
工場・事業場型は、生産ラインの入れ替えや集約など、工場・事業場全体で大幅な省エネ化を図るものを補助します。補助率は。中小企業で1/2以内、大企業は1/3以内となります。先進設備の場合は、中小企業で2/3以内、大企業で1/2以内となります。
補助上限額は15億円/年度(非化石転換の要件満たす場合、20億円/年度)で、下限額は100万円/年度となります。
電化・脱炭素燃転型は2023年度補正予算案で新設された類型で、主に中小企業の活用を念頭に、脱炭素につながる電化や燃料転換を伴う設備更新を補助します。
対象となる設備は、以下となります。
補助率は1/2以内、補助上限額3億円(電化のための機器の場合は5億円)、下限は30万円です。
設備単位型は、中小企業が使いやすいよう、リストから選択する機器への更新を補助します。そのため、導入できるのは、あらかじめ定めたエネルギー消費効率などの基準を満たし、補助対象設備として登録・公表した指定設備に限ります。
補助率は1/3以内で、補助上限額は1億円、補助下限は30万円です。
環境省・経産省・国交省は、高効率の空調や照明、断熱材の導入を一体で進めることで、CO2削減ポテンシャルの高い既存の業務用建築物(オフィス、教育施設、商業施設、病院など)を効率的に省エネ改修する支援策を新設する予定です。複数年で339億円規模となる見込みです。
具体的には、改修後の省エネ性能が一定の要件をクリアすることを条件に、断熱窓、断熱材、高効率空調機器、高効率照明などの改修を補助します。補助額は、改修内容に応じて定額または補助率1/2~1/3相当となる見込みです。
省エネ診断とは、省エネの専門家が中小企業を訪ね、エネルギー使用の改善をアドバイスする仕組みです。省エネ診断を受けた場合は、省エネ補助金の加点措置をし、診断から設備まで支援する方針です。
省エネ診断は、具体的に次のような手順で進めます。
省エネの取り組みについて「具体的に何をやればよいか分からない」との中小企業の声も多いといい、専門家による省エネ診断への支援を強化し、2024年度は2023年度比倍増の案件数を見込んでいます。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。