目次

  1. 病床の父の言葉で家業入りを決意
  2. 妻との出会いが家業の転機に
  3. 経費削減で改善を積み重ねる
  4. 「おなまえ積み木」がヒットした理由
  5. 積み木と仏壇の相乗効果
  6. 木製雑貨のショップもオープン
  7. ゆりかごから墓場まで寄り添う

 阿部仏壇製作所は1949年に創業しました。一般的に仏壇といえば、一面が金箔(きんぱく)の荘厳な金仏壇をイメージしますが、同社の仏壇のほとんどが、無垢材使用のインテリアになじむナチュラルなデザインです。木材加工技術を生かし、積み木や箸置きなどの雑貨、オーダーメイドのテーブルなどにも幅を広げています。

 年間売上高は約4千万円で、売り上げ構成比は雑貨が約6.5割、仏壇関連品が2割、木育ワークショップが1.5割となっています。役員は3人、従業員は8人です。

売れ筋の木製シンプル仏壇

 吉田さんは家業を継ぐつもりはなく、地元のデザイン事務所で働いていました。しかし、病気を患った父・孝(たかし)さんが「この会社を残したい」と病床で話したことで、下り坂だった家業を担う決意を固めました。

 「頑固な性格の父が本音を語ったことに驚きました。職人の仕事だった仏壇の製造工程が中国や東南アジアに移った影響で売り上げが減少してもなお、父は『作ることを極める仕事』が、再び日の目をみるはずと信じていました」

 父が引退して他界した2007年、兄の一彦さんが代表を務め、吉田さんも家業を手伝うことに。それでも仏壇の売れ行きは悪く、数千万円の借金を抱え運転資金が枯渇寸前になりました。

吉田さんは父の想いに突き動かされました

 仏壇業界は斜陽の一途。吉田さんは仏壇以外にも目を向け、11年に木製雑貨ブランド「KOUGI(こうぎ)」を立ち上げます。「仏壇の木製屋根を作る技術で新製品を生み出し、間口を広げられるのではと考えました。ブランド名は父の法名の『孝義』から取りました」

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