目次

  1. 創業10年で大企業も顧客に
  2. 父子対立が深まり独立起業
  3. 「何もないこと」がメリットに
  4. ハードルを乗り越えたネット営業
  5. ごみの「有価物化」にも挑戦
  6. 社員全員が「辞めたい」と直訴
  7. 「父があってこその自分」

 環境省の調査によると、2020年における日本の産業廃棄物の総排出量は3億7382万トン。うちリサイクルされるのは53%で、残りの47%は減量化されるか、埋め立て処分されています。産廃処理は爆発性や毒性、感染性など危険が伴うこともあり、古いイメージや慣習などがイノベーションを妨げてきた面もありました。

丸商が処理を仲介する産業廃棄物(同社提供)

 そんななか、河本さんは2013年に丸商を創業し、「産廃マッチング」という新しいビジネスモデルを立ち上げました。

 これは、丸商が廃棄物を処理したいクライアントの要望を聞き取り、そのニーズに合った収集運搬業者や処理業者との間を取り持ち、処理方法の確認や価格交渉も担う仕組みです。丸商は日本有数の工業地帯・四日市市にあり、扱う廃棄物はプラスチックや汚泥、廃油、紙や木のくずなど多岐にわたり、法令順守やコスト低減への提案も行います。

「産廃マッチング」のイメージ(丸商提供)

 設立10年で取引先は中部電力、ホンダ、シャープ、大和ハウス工業などの大企業を含めて約400社にまで拡大しています。

 河本さんは、鉄のリサイクルを生業とする小さなスクラップ工場の家に生まれました。子どものころは進んで家業を手伝ったといいます。「夏休みなどは必ず父の工場を手伝いました。働く父は力強く、何もかもがキラキラ輝いて見えたんです」

 ただ、家業を継ぐ気はなかったそう。「自分は好奇心旺盛で、いろいろやってみたいと思うタイプ。昔は『吉本興業の芸人になる』という夢を描いていたくらいです」

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