目次

  1. 漆器4千アイテムを販売
  2. 曲げわっぱに特化した実店舗
  3. 「漆器ガチャ」が子どもに人気
  4. 「腰掛け」のつもりで家業に
  5. 「このままではいけない」とECへ
  6. EC店向けサービスで経営を学ぶ
  7. コロナ禍で進めたEC制作の内製化
  8. 紀州漆器の底上げも見据えて

 三好漆器は、主に海南市で生産される「紀州漆器」を扱う会社です。2012年に法人化し、従業員数は28人(うち正社員11人)になります。20年に社長となった三好さんは「たぶん5代目」と言います。「父の代で法人化するまで個人経営の製造卸業でした。文献が残っておらず、私が正確に何代目かはわかりません」

 取扱商品は、漆塗りの盆や重箱から洋風でカジュアルな弁当箱、ランチプレート、スプーン、雑貨まで約4千アイテムにのぼります。取引のあるメーカーは約80社です。

日常使いできる漆塗りの和洋食器(三好漆器提供)

 「うちはメーカーではなく、自社でレーザー彫刻加工やUV印刷(紫外線を照射すると瞬時に硬化・乾燥するUVインキを使った印刷)をする以外、すべて他社から仕入れたものです。それらを10店舗のショッピングサイトで販売しています」

 同社で加工や印刷を加えた漆器は「デザインがおしゃれ」と評判を呼び、出荷件数は年間約20万件(2022年実績)にのぼります。直近の年商は6億7千万円で、先代時代の最高額の3億円から倍増しました。

自社でレーザー加工や印刷を行います(同社提供)

 22年7月には初の実店舗「漆器のある暮らし」を和歌山市に開き、各メディアで取り上げられるなど話題を呼んでいます。

 その理由は、品ぞろえを約80種類の「曲げわっぱ弁当箱」に特化していることです。名匠が曲げた1万円台の高級品から、三好さん自身のデザインも含む3千円台のカラフルな商品まで、ズラリと並ぶ様子は壮観です。店内も曲げわっぱをイメージし、カーブを描いた構造となっています。

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