目次

  1. 「同時にやってこそ逸材」
  2. 地方重視の背景に低迷期の経験
  3. 経営者に求められる「ネアカ」
  4. エンタメビジネスで勝ち抜く戦略

 棚橋さんは会見で、ビルドアップされた体にスーツをまとい、青いネクタイを締めて登場しました。「プロレスは(レスラーが)社長を殴れる唯一の競技」と、笑いを誘いつつ、「夢で目標だった社長に就任してうれしい。身が引き締まる思いです」と抱負を述べました。

 立命館大学の学生プロレス出身の棚橋さんは、1999年に新日本プロレスからデビュー。華麗な空中技と当意即妙なマイクパフォーマンスで人気を博し、団体最高峰のIWGPヘビー級王者や、年間で最も評価の高いレスラーに贈られるプロレス大賞でMVPに4度輝きました。また、猛勉強して大学に合格した経歴から「インテリレスラー」としてテレビ番組などでも人気を集めています。

新社長就任会見の冒頭であいさつする棚橋弘至さん

 棚橋さんは1カ月前の11月、親会社のブシロード創業者で同団体オーナーの木谷高明さんから、新社長就任をオファーされました。「現役としてまだまだ鍛え直したい」と思いながらも、「経営と現役を同時にやってこそ逸材」と決意し、受諾しました。

 棚橋さんは新社長として初の会見で、三つの「公約」を掲げました。

 一つ目は、毎年1月4日に東京ドームで開かれる団体最大のイベント「東京ドーム大会」を超満員にすることです。「超満員のドームで花道を歩くのは、レスラーとして誉れでもある。ぜひ、みんなに経験してほしい」

 二つ目は、地方興行でのタイトルマッチを増やすことです。「地方が超満員にならないと、東京ドームも満員にならない。地方の熱量を東京に伝えたい」

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