目次

  1. 経済産業省がまとめたインフラへの影響
    1. 停電状況
    2. ガス
    3. 製油所・油槽所・ガソリンスタンド
    4. 工業用水
  2. 原子力施設への影響(原子力規制庁発表)
  3. 高速道路、通行止めを2日夜までにすべて解除
  4. 国土交通省、通行止めの国道を公表
    1. 高速道路1路線3区間で通行止め
    2. 直轄国道1路線1区間で通行止め
    3. 補助国道3路線29区間で通行止め
    4. 都道府県道等3県69区間で通行止め
  5. ITS Japan、被災地域の道路の通行実績を公表
  6. 北陸新幹線や上越新幹線、2日に運転再開
  7. 携帯電話、00000JAPANを順次開設
  8. 宅配物の集配、石川県で停止
  9. 令和6年能登半島地震の概要
  10. 今後の地震活動の見通し

 経産省がまとめた情報は以下の通りです。

 石川県では6日14時時点で、約2万3200戸の停電が継続しています。停電は、送電線や変電所によるものはなく、配電設備の損傷によるものだといいます。

 石川県:2万3200戸(輪島市 約9800戸、珠洲市 約7400戸、能登町 約3200戸、穴水町 約2600戸、七尾市 約120戸ほか)

 都市ガスについては、INPEX直江津LNG基地で、安全確認作業のために送ガスを停止していたが、安全確認作業を完了し送ガスを再開しました。

 また、日本海ガスで、27件の供給支障が発生していたが、液状化影響による導管被害(25件)は、復旧が完了しました。

 整圧器被害等2件については、仮設配管設置などにより、3日中の供給再開見込みとなっています。

 金沢エナジーにおいて、石川県金沢市内で121戸の供給支障が発生していたが、導管中の水抜きが完了した106戸については供給を再開。残り15戸については復旧作業を継続。

 ガス小売事業(簡易ガス)の被害状況は以下のとおりです

◆供給再開済
・石川県河北郡津幡町1ヵ所(245戸)
・金沢市1ヵ所(36戸)※土砂崩れによる立入禁止場所の住宅を除く。
・内灘町1ヵ所(72戸)
・志賀町1ヵ所(20戸)
・宝達志水町1ヵ所(24戸)
・珠洲市1ヵ所(66戸)
◆地盤が悪いことが判明したため復旧作業停止中
・能登町1ヵ所(40戸)

 LPガスについて、福井県あわら市で、1か所埋設供給配管が損傷しガスが漏えいしたが、処置を行い漏えいは止まっているとのことです。

 小松ガス(石川県小松市)の公式サイトでは「震度5相当以上の地震などの非常時には、ガスメーター(マイコンメーター)の安全装置が作動して、ガスを止めます。(表示ランプが赤く点滅します)ガス漏れの疑いもありますので、ガス臭くないか十分確認してください。ガス臭いときは、復帰の操作をしないでガス事業者へご連絡ください」と復帰時の注意を呼び掛けています。

 高圧法及び石災法に係る設備については以下の通りです。

  • 1月1日(月曜日)、新潟県上越市内の事業所で、火災が発生し鎮火済み。人的被害なし
  • 1月1日(月曜日)、富山県富山市内の事業所で、アンモニアが漏洩し対処済み。人的被害、場外への影響なし
  • 1月2日(火曜日)、石川県七尾市内の事業所で、プロパン、ブタンが漏洩し対処済み。人的被害、場外への影響なし
  • 1月1日(月曜日)、新潟県新潟市内の事業所で、原油が漏洩。漏洩はすでに停止。人的被害、場外への影響なし
  • 1月1日(月曜日)、新潟県聖籠町内の事業所で、原油が漏洩。漏洩はすでに停止。人的被害、場外への影響なし

 製油所・油槽所について、確認中ながら、6日14時時点で被害は情報ないといいます。震度5強以上の地域で状況が確認できているガソリンスタンドは以下の通りです。

営業可能(給油・配送可能):973件(うち石川県129件)
営業停止(給油・配送不可、定休日・避難指示含む):31件(うち石川県16件)
通常営業時間外のため状況確認中:131件(うち石川県29件)

 確認中ながら、1日18時時点で被害報告はないといいます。

 原子力規制庁の公式サイトでは、プラントの冷却状況については、いずれの原子力関連施設も安定した状況が続いているといいます。施設周辺の放射線量を測定しているモニタリングポストにも影響は見られないとしています。

 ただし、臨時会見のなかで、北陸電力志賀原発1号機で、地震の揺れで使用済み燃料プールの水がこぼれ、冷却ポンプが一時停止していたことが明らかになりました。

 NEXCO中日本の公式サイトによると、地震の影響のため、北陸自動車道と、東海北陸自動車道で通行止めを実施していましたが、2日夜までにすべて解除となりました。リアルタイムの通行状況は、アイハイウェイ中日本(NEXCO中日本)へ。

 国交省の公式サイトでは、1月6日15時時点で能登半島などで通行止めとなっている国道を公表しています。

 能越道(のと三井 IC~穴水 IC)【2区間】道路崩落等
※のと三井 IC~穴水 IC 間で複数の被災情報有り、調査中

 能越道(七尾 IC~七尾城山 IC)【1区間】段差、クラック等
※北陸道、日本海東北道、磐越道、関越道、上信越道、東海北陸道、能越道(七尾城山 IC~小矢部砺波 JCT)の計 69 区間、1月5日13時までに通行止め解除

国道8号(新潟県上越市茶屋ヶ原)上下線通行止(土砂崩落)
 ※1/2 6:30より国道8号通行規制に伴う北陸自動車道・上信越自動車道の一部区間の代替路(無料)措置中
 ※国道8号(新潟県柏崎市)、国道116号(新潟県新潟市)、国道160号(石川県七尾市)の計3区間、1月2日23時までに通行止め解除

国道249号(石川県志賀町富来七海)法面崩壊
国道249号(石川県志賀町大福寺)土砂崩れ
国道249号(石川県志賀町相神)橋梁段差
国道249号(石川県七尾市直津町)道路段差
国道249号(石川県七尾市中島町小牧)路面亀裂
国道249号(石川県七尾市東山町)土砂崩れ
国道249号(石川県七尾市中島町笠師)道路段差
国道249号(石川県珠洲市真浦町)土砂崩れ
国道249号(石川県珠洲市真浦町)土砂崩れ
国道249号(石川県珠洲市仁江町)土砂崩れ
国道249号(石川県珠洲市大谷町)土砂崩れ
国道249号(石川県珠洲市若山町)法面崩壊
国道249号(石川県珠洲市大谷町)トンネル損傷
国道249号(石川県輪島市名舟町)土砂崩れ
国道249号(石川県輪島市町野町曽々木)土砂崩れ
国道249号(石川県輪島市縄又町)道路陥没
国道249号(石川県輪島市門前町浦上)法面崩壊
国道249号(石川県輪島市門前町西円山)法面崩壊
国道249号(石川県輪島市小伊勢町)盛土崩壊
国道249号(石川県輪島市稲舟町)法面崩壊
国道249号(石川県輪島市大野町)法面崩壊
国道249号(石川県輪島市白米町)道路陥没
国道249号(石川県輪島市町野町大川)法面崩壊
国道249号(石川県能登町恋路)道路損壊
国道249号(石川県能登町宇出津山分)路面沈下
国道359号(石川県金沢市宮野町)土砂崩れ
国道359号(富山県小矢部市五郎丸)道路損壊
国道471号(富山県小矢部市後谷)道路損壊
国道471号(富山県富山市八尾町栃折)路面沈下

石川県61区間
新潟県2区間
富山県6区間

 石川県は、道路の通行規制等について、石川みち情報ネットで情報発信しています。

 自動運転の研究や普及を目的とする公益財団法人ITS Japanの公式サイトで、能登半島地震の乗用車・トラック通行実績を公表しています。

 ただし「通行実績がある道路でも、現在通行できることを保証するものではありません。 通行止めの箇所については、通行実績がある場合でも通行はしないでください」と注意を呼び掛けています。

 JR東日本は、地震の影響で、1日の北陸新幹線と上越新幹線について最終列車まで運転を見合わせることを明らかにしました。2日に順次運転再開しました。在来線も、北陸地方を中心に広い範囲で影響が出ています。

 今後の運行状況は、JR東日本の公式サイトJR西日本の公式サイトを確認してください。

 携帯各社の公式サイトによると、地震直後から携帯電話や通信サービスがつながりづらい状況が一部地域で続いています。

 携帯各社は災害用伝言版を提供しています。

 こうした携帯キャリアが垣根をこえて無料開放する公衆無線LANサービス00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)が順次開設されています。スマートフォンのWifi設定から、ネットワーク名(SSID)「00000JAPAN」を選択してください。

 ヤマト運輸によると、地震の影響で石川県の一部で集配を停止したほか、北海道、新潟県、富山県、福井県についても遅れが生じる可能性があるといいます。

 佐川急便も石川県の一部地域で集配を見合わせているほか、北海道でも遅れが生じているといいます。

 気象庁の能登半島地震の特設ページによると、令和6年能登半島地震の概要は以下の通りです。

令和6年能登半島地震の震度分布図(気象庁の公式サイトから https://www.jma.go.jp/jma/press/2401/01a/202401011810.html)

発生時刻…1月1日16時10分ごろ
マグニチュード…7.6(速報値)
発生場所…石川県能登地方(輪島の東北東30km付近) 深さ16km
発震機構 …西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)
震度…石川県の志賀町で震度7を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6強~1を観測
地震活動の状況…3日正午までに震度1以上を観測した地震が499回発生
長周期地震動の観測状況…石川県能登で長周期地震動階級4(立っていられない状況)を観測

 気象庁は、これ以上津波が大きくならないと判断し、2日10時に津波注意報をすべて解除しました。津波注意報が発表されていた沿岸では津波に伴う海面変動が観測されているので、海に入っての作業や釣りなどに際しては十分な留意が必要だとしています。

 気象庁によると、過去の事例では、大地震発生後に同程度の地震が発生した割合は1~2割あることから、揺れの強かった地域では、地震発生から1週間程度、最大震度7程度の地震に注意するよう呼び掛けています。

 この地域では、3年以上地震活動が続いており、当面、継続すると考えられるともいいます。