目次

  1. 中小企業退職金共済制度(中退共)とは
  2. 令和6年能登半島地震で中退共の特例措置
    1. 一般の中小企業退職金共済制度(中退共)の特例措置
    2. 建退共・清退共・林退共の特例措置

 厚労省の公式サイトによると、中退共とは、独力では退職金制度を設けることが難しい中小企業に対し、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって従業員への退職金制度を設ける制度です。

 厚労省は中退共に次のようなメリットがあると紹介しています。

  • 掛金の一部を国が助成
  • 掛金は口座振替で管理が簡単
  • 掛金は法人企業の場合は損金、個人企業の場合は必要経費として全額非課税
  • 従業員ごとに掛金月額を選択できる

 厚労省は2024年1月、中退共について、令和6年能登半島地震の災害救助法適用地域の被災加入者に対し、特例措置等を実施すると発表しました。

 事業者からの申出により、一般の中小企業退職金共済制度(中退共)の掛金の納付期限を最長1年間延長できます。延長できるのは2024年2月~2025年1月分です。

 納付延長した月分の掛金は、2025年2月~2026年1月に納付すれば後納割増金は免除されます。具体的な手続きは、勤労者退職金共済機構中小企業退職金共済事業本部の公式サイトによると次の通りです。

 まず、「掛金納付延長申出書(様式11)」(PDF方式)を入手し、必要事項を記入します。

 次に書類を以下の住所に郵送してください。災害救助法が適用された市区町村の事業主の場合は関係機関の証明書の添付が要りません。

〒170-8055 東京都豊島区東池袋1丁目24番1号
独立行政法人 勤労者退職金共済機構 中退共本部 収納課

 勤労者退職金共済機構の建設業退職金共済事業本部(建退共)清酒製造業退職金共済事業本部(清退共)林業退職金共済事業本部(林退共)もそれぞれ特例措置を紹介しています。

 たとえば、共済手帳や共済証紙を失った場合や損傷した場合でも、再交付が可能です。また、退職金請求事由に応じて必要となる事業主の証明は、事業主の「罹災証明書」(写しも可)をもって証明に代えることもできます。