目次

  1. 弁当や惣菜を一から手作り
  2. 経営危機でも防いだ底割れ
  3. 工程を分解して人材を配置
  4. 従業員の子の世話を社内で
  5. 「家庭の弁当」がヒット商品に
  6. 病を経て立ち上げたブランド
  7. 食品業界全体を考えて経営判断

 角井食品は1971年、美穂さんの父・實さんが創業しました。自社工場で弁当、おにぎり、惣菜、サンドイッチから、おせち料理まで作り、関西圏のスーパーやコンビニなどとの取引があります。

 實さんは、サンドイッチに入っている卵をはじめ、お弁当のハンバーグもひき肉を仕入れて玉ねぎを炒めるところから始める、というこだわりを持っていました。今でもその考えにならい、惣菜のトンカツやメンチカツなどは一から自社工場で製造しています。

 ガスで炊く「一釜浸漬一釜炊飯方式」と呼ばれる炊飯設備を持ち、コンピューターで一釜ごとに細かく炊き分けつつ、昔ながらのガス炊飯でふっくらしたご飯に仕上げているといいます。

 売上高は11億8900万円(2023年6月期)、従業員数は96人(うちパート87人)です。

角井食品の社屋

 角井さんが物心がついたころは、会社が一番忙しい時期でした。当時は小さな工場の2階に一家で暮らし、毎日のように従業員が出入りしていたといいます。

 海外にあこがれ、留学も経験した角井さんは当初、家業を継ぐ考えはありませんでした。大学卒業後は明確な希望職種がなく、家業と取引のある大手食品メーカーに就職します。4年ほど営業職で働いた後に退職し、2002年、角井食品に入社しました。

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