目次

  1. クロスコンプライアンスとは
  2. クロスコンプライアンスの実施方法と導入スケジュール
  3. 業種別のクロスコンプライアンスのチェックシート

 農林水産省が導入する「クロスコンプライアンス」とは、農水省のすべての補助金の受給にあたり、チェックシート方式で「最低限行うべき環境負荷低減の取り組み」について、①取り組む内容を事業申請時にチェックシートで提出すること、②実際に取り組んだ内容を事業実施後に報告することを義務化するものです。

 農業土木学会誌(PDF方式)によると「もともとアメリカでは、作物プログラムにおいて支援される補助金を農業者が受けるために満たすべき条件を示す用語として、1970年代から使用されて」いると紹介しています。

 農水省が指定する「最低限行うべき環境負荷低減の取り組み」の例としては、次のようなものが挙げられます。

最低限行うべき環境負荷低減の取り組み
最低限行うべき環境負荷低減の取り組み(農水省の公式サイトから https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/kurokon.html)
  • 肥料・農薬の使用状況の記録・保存
  • 作物の生育や土壌養分に応じた施肥
  • 農薬ラベルの確認・遵守、農薬の飛散防止
  • 電気・燃料の使用状況のこまめな確認、記録・保存

 チェックシートの実施方法は次の通りです。

  1. 事業申請時に取り組む内容をチェックして提出
  2. 事業報告時に実際に取り組んだ内容をチェックして提出
  3. 報告検査時に抽出方式などで報告内容を確認する

 2024年度は、1.事業申請時のチェックシートの提出から始め、2025年度以降に2.事業報告時の提出、3.報告検査時の確認を試行的に実施します。その上で、詳細を固め、2027年度を目標に本格実施します。

 チェックシートの項目は、みどりの食料システム法に基づく国の基本方針に示された、農林漁業に由来する環境負荷に総合的に配慮するための7つの取り組みが基本となっています。

 チェックシートは以下の6業種に分けられています。

  1. 農業経営体
  2. 畜産経営体
  3. 林業事業者
  4. 漁業経営体
  5. ⾷品関連事業者
  6. ⺠間事業者・⾃治体等

 チェックシートと解説書は、農水省の公式サイトで入手できます。