目次

  1. 店の会員数は2万8千人に
  2. 野球専門店への衣替えを決断
  3. 高校野球経験を採用条件に
  4. 内装も野球一色にこだわる
  5. バットのサブスクで成長を支える
  6. サブスクがもたらした宣伝効果
  7. 逆風でも購入数が伸びる理由
  8. 野球に特化したスポーツジムを
  9. 差別化で大事なのは「人」

 超野球専門店CVは「関東最大級の『超』品揃え」を掲げ、店に入るとバットやグラブが所狭しと並びます。価格帯は、バットが1万円~5万円、グラブが5万円~6万円、シューズが1万円~2万円で、年間販売数(サブスクリプションを除く)は、バット2200点、グラブ4500点、シューズ3400点にのぼります。

 顧客数(会員数)は2万7800人で、年商は約6億円(2022年9月~2023年8月)。従業員数は13人(役員をのぞく)で、ほかパート・アルバイト従業員が6人です。中村さんの妻や妹2人も家業を手伝っています。

店にはプロ野球選手のサイン絵馬を飾っています。日本ハム時代の大谷翔平選手は「世界一」としたためました(右上から四つ目)

 中村さんの祖父は1973年、「カマガヤスポーツ店」を創業し、1981年に現在のスポーツシーブイになりました。当時は学校のジャージーやスポーツ用ボストンバッグなど、商品を並べれば売れる時代だったといいます。

 スポーツシーブイの定年制度に基づき、祖父は65歳で経営を退き、中村さんの父が2代目に。そのころは各種競技の用具を取りそろえた一般的なスポーツ用品店でした。

創業当時のカマガヤスポーツ店
創業当時のカマガヤスポーツ店(スポーツシーブイ提供)

 3代目の中村さんはプロ野球選手を夢見て野球に打ち込み、高校野球が終わったころから、家業を継ぐことを考え始めます。順天堂大学では野球部で汗を流しながらスポーツマネジメントを学び、卒業後、父の知人が経営する奈良県内のスポーツ用品店で修業に入ります。

 奈良の店は関西圏でも大規模でした。販売員として勤めた中村さんは、学生時代に家業を手伝ってはいたものの「文化や方言はもちろん、客層も異なるため大変でした」。

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