新富裕層とは 世帯年収1500万円以上への商品企画に役立つインサイト
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、世帯年収1000万円以上の世帯割合は、2013年の11.3%から2022年の12.6%と10年で1.3ポイント増加しました。新富裕層は、高所得と資産を持つ一方、ライフスタイルや価値観が従来の富裕層とは異なると言われています。そこで、新富裕層向けの商品企画に生かせるよう、消費意識について博報堂の調査から紹介します。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、世帯年収1000万円以上の世帯割合は、2013年の11.3%から2022年の12.6%と10年で1.3ポイント増加しました。新富裕層は、高所得と資産を持つ一方、ライフスタイルや価値観が従来の富裕層とは異なると言われています。そこで、新富裕層向けの商品企画に生かせるよう、消費意識について博報堂の調査から紹介します。
新富裕層とは、親から資産を引き継いだ旧来の富裕層ではなく、共働き・パワーカップル世帯の増加などで新たに生まれた富裕層を指します。
博報堂は、世帯年収1500万円以上の生活者を「インカムリッチ」と名付け、マーケティング研究している結果を公表しました。
それによると、世帯年収1500万円以上の割合は、全体の2.4%。最も多いのは男女ともに40代。過半数(51.0%)が会社員、約3割(28.0%)が上場企業に勤務という特徴が見えてきました。
企業が若年層や女性のキャリア機会の拡大、仕事と家庭の両立を可能にする環境整備に積極的に取り組んでいることは、新富裕層の増加につながっている可能性があります。
博報堂のプレスリリースによると、調査概要は以下の通りです。
保有する資産は、全体的な傾向と比べて、新富裕層は「自宅の土地」(45.4%)や「株式」(45.4%)、「生命保険」(41.1%)、「投資信託」(34.8%)、「貴金属・宝石類」(18.9%)保有率が高い傾向にありました。
新富裕層は、「資産運用では、短期的な利益より、中長期でのリターンを重視」(61.1%)、「リスクを考え、資産の配分を管理」(54.6%)、「ネット証券などを通じて自分で投資」(51.5%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(46.3%)と回答した人が、全体より高い傾向にありました。
特に30~40代男性は、「ネット証券などを通じて自分で投資」(63.0%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(59.7%)という意識が高く、投資への意欲が高いことがうかがえるといいます。
調査から、新富裕層は自身の「健康や心の豊かさ」「時間やゆとり」のために積極的にお金を使う意識を持っていることがうかがえました。
「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」「タイムパフォーマンスを重視」「ゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない」という回答が全体よりも高い傾向にありました。
そのほか「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」(「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」「新しいお店や場所に積極的に出かけるほうだ」といった意識も高い傾向にありました。仕事、プライベート、家庭との両立に忙しい日々を送るライフスタイルを象徴しているのかもしれません。
たとえば、30代女性は「ご褒美消費」にも関心があり、商品やサービスの品質だけでなく、「健康や心の豊かさ」「時間やゆとり」をどのように満たすかが重要なポイントになると見込まれます。
ただし、全体と新富裕層で「節約・倹約意識が高い方だと思う」という意識に大きな差は見られませんでした。そのため、高級品であれば好まれるということではないことに注意しましょう。
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