目次

  1. ニコニコで停止中のサービス一覧 動画データは影響なし
  2. サービス停止で補償へ
  3. 復旧の見通し「1ヵ月以上かかる」
  4. 「ニコニコ動画(Re:仮)」とは サービス開始
  5. KADOKAWAグループのおもな影響

 ニコニコサービスは8日6時ごろからニコニコサービス全体において正常に利用できない場合がある不具合が起きていると発表。

 ニコニコインフォで、その後少しずつ詳細が明らかになってきました。

 発表内容によると、グループ企業のデータセンターがランサムウェアを含むサイバー攻撃を受け、相当数の仮想マシンが暗号化され、利用不能になりました。その結果「ニコニコ」をはじめとするウェブサービス全般のシステムが停止しました。

 サイバー攻撃は、発覚後も繰り返され、第三者が遠隔からシャットダウンしたはずのサーバーを起動させて感染拡大を図るといった行動が観測されていたといいます。

 そのため、サーバーの電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に抜線し封鎖しました。その結果、グループ企業が提供するデータセンターに設置されているサーバーはすべて使用不可となりました。オフィスへの出社を原則禁止とし、社内ネットワーク、社内業務システムも停止しています。

 ニコニコ動画のシステム、投稿された動画データ、動画の映像配信システムは、パブリッククラウド上で運用されていたため、被害は受けなかったといいます。

 14日時点で停止が続いているサービスは以下の通りです。

  • ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコチャンネル等のニコニコファミリーサービス
  • 外部サービスでのニコニコアカウントログイン
  • 楽曲収益化サービス
  • ドワンゴチケット
  • ドワンゴジェイピーストアの一部機能
  • N予備校 ※N高等学校・S高等学校の生徒向けには復旧済
  • 各種企画におけるプレゼント発送

 ニコニコ生放送・ニコニコチャンネルを含むニコニコサービスの再開時期は6月14日時点で未定だといいます。

 一方、影響の少なかった「ニコニコ漫画」アプリは、機能を縮小して6月中にサービス再開を予定しています。

 番組中止およびサービス停止を受けて、カドカワグループは補償予定を公表しました。

  • プレミアム会員・ニコニコチャンネル有料会員(ニコニコチャンネルプラス含む)の月額会員料(2024年6月と7月)
  • N予備校の月額会員料
  • ニコニコチャンネルおよびニコニコチャンネルプラスの運営者への収益分配
  • クリエイター奨励金の分配

 今後の復旧については「1ヵ月以上かかる見込みで、再開できるサービスから順次再開していく予定です」と説明しています。

 「ニコニコ」は数百以上のシステムが連携して動作しているといい、復旧には、封鎖したサーバーの中身を1つずつ確認して、無事なデータを救出し、救出したデータを使って安全な環境下でニコニコ動画とニコニコ生放送のシステムを再構築するためです。

 復旧までの間、「ニコニコ動画(Re:仮)」(読み: にこにこどうが りかり)というサービスが6月14日から始まりました。

 「ニコニコ動画(Re:仮)」とは、サービス初期の2006年と同じ、動画視聴やコメントといった基本的な機能のみを備えた動画コミュニティサイトです。 サービスの負荷を考慮し、ニコニコ動画に投稿された作品の中から選ばれた一部の動画のみが視聴可能となっています。

 2024年6月19日からは、ニコニコ生放送の新バージョン「ニコニコ生放送(Re:仮)」も始まりました。

 今回、ニコニコサービスにとどまらず、KADOKAWAグループの複数のサービスに影響が出ました。KADOKAWAオフィシャルサイトやオンラインショッピングサイト「エビテン(ebten)」などもサイトが閲覧できない状況が続いています。

 KADOKAWAグループの広報によると影響の出ているサービスは以下の通りです。

出版事業

 国内の紙書籍の受注システム、デジタル製造⼯場・物流システムの機能を停⽌しています。これによる受注停⽌、⽣産量の減少と物流の遅延に伴い、出荷数量が減少しています。

 また、国内の紙書籍や電⼦書籍の編集・制作⽀援システムの⼀部機能が停⽌しており、⼀部新刊(紙書籍・電⼦書籍)の刊⾏や重版制作が遅延することが⾒込まれます。

Webサービス事業

 「ニコニコ動画」「ニコニコ⽣放送」「ニコニコチャンネル」などのニコニコファミリーのサービス全般が停⽌するとともに、ニコニコアカウントによる外部サービスへのログインができなくなっています。

MD事業

 複数のオンラインショップにおいて、商品の受注不能や出荷の⼀部遅延が発⽣しています。

経理業務

 ⼀時的に決済システムが機能停⽌状態となっており、その影響で⼀部のお取引先への⽀払いに遅延が⽣じる可能性があるといいます。